Windows 11で必須になったBIOS(バイオス)の後継者「UEFI」って何なの?

Windows 11のシステム要件のひとつに「UEFI、セキュアブート対応」がある。最近発売されたパソコンなら対応しているはずだが、そもそも「UEFI」っていったい何なのだろうか? 古くからあるBIOS(バイオス)とは違うものなのだろうか? そこで今回は、BIOSの後継者と言われる「UEFI」の基本について解説しよう。

そもそもUEFIにはどんな役割があるの?

2021年10月にリリースされたWindows 11のシステム要件のひとつに、「UEFI、セキュアブート対応」があるのをご存じだろうか?

「UEFI」とは、古いパソコンで利用されてきた「BIOS(バイオス)」を進化させたもので、同じような役割を担っている。厳密に言えばUEFIはプログラムではないが、ここでは初心者にも理解しやすいように“BIOSの後継プログラム”として説明する。

そもそもパソコンには、マザーボードと呼ばれる基板が組み込まれているが、CPUやメモリ、HDD(SSD)などもマザーボードに取り付けられており、UEFI/BIOSはこのマザーボードなどのハードウェアを制御するためのファームウェア(プログラム)だ。

パソコンの電源を入れると、まず、最初に働くのはUEFI/BIOSで、マザーボードや周辺機器など、パソコンのハードウェアを制御。その後、起動ディスク(Cドライブ)からWindows OSをブート(起動)させているのだ。

つまり、UEFI/BIOSの役割は“パソコンのハードウェアとOSの橋渡し”をすることなのである。

Windows 11のシステム要件(Image:microsoft.com)

Microsoftでは、Windows 11のシステム要件を公表しているが、そのなかに「UEFI、セキュアブート対応」がある

パソコンのハードウェアを制御し、OSに橋渡しするのがUEFI/BIOSの役目

最初にパソコンのハードウェアを制御し、OSに橋渡しするのがUEFI/BIOSの役目。OSの起動ディスクのブート(起動)もUEFI/BIOSの役目である

UEFIとBIOSとでは何がどう違うの?

UEFIとBIOSは、どちらもパソコンを起動したときにマザーボードを含むハードウェアを制御し、起動ディスクからWindows OSを立ち上げる役割がある。だが、細かい部分では異なる部分も多いのだ。

まず、BIOSとは「Basic Input/Output System」の略で、古いパソコンで利用されてきた。BIOSは「MBR(マスターブートレコード)」と呼ばれるパーティション形式でディスクを管理しており、パーティションは4つまで、起動ディスク(Cドライブ)の容量は最大2TBまでしか認識できない。

これに対しUEFIは「Unified Extensible Firmware Interface」の略で、ここ10年くらいのパソコンに採用されているBIOSの後継者だ。役割はBIOSとほとんど同じだが、UEFIだけが持っている機能もある。

UEFIは「GPT(GUIDパーティションテーブル)」と呼ばれるパーティション形式に対応しており、パーティションは128まで管理できる。また、起動ディスクは2TB以上(理論上は85億TB)も利用可能となっている。

両者は見た目も大きく異なり、BIOSはキーボードでしか操作できないチープなグラフィックだが、UEFIはグラフィックも派手でマウスでも操作できるので、初心者でも扱いやすいのが特徴となっている。

BIOSの画面

こちらが古いパソコンで使用されているBIOSの画面。チープなグラフィックで、キーボードだけで操作しなければならず初心者には扱いづらい

UEFIの画面

こちらが最近のパソコンで利用されているUEFIの画面。グラフィックも美しく、マウス(画面中央)で操作できるのが初心者にも優しい

UEFIセキュアブートを有効にする方法は?

UEFIとBIOSにはさまざまな違いがあるが、決定的に異なるのはセキュリティへの対応だ。

UEFIでは、Windows起動時に悪意のあるプログラムがないかチェックするセキュリティ機能が備わっており、Windows 11ではUEFI、セキュアブートがシステム要件になっている。

パソコンでUEFIセキュアブートを有効にするには、パソコンの電源を入れてすぐにUEFIを表示させたうえで、「起動」→「OSタイプ」で「非UEFI モード」から「UEFI モード」に切り替え、「F10」で更新を保存すればOKだ。

ただし、UEFIの設定を素人が下手にイジるとパソコンが起動しなくなることもあるので、UEFIの設定変更は自己責任で実行してほしい。

ASUS製マザーボード採用パソコンの「UEFI BIOS Utility」画面

こちらはASUS製マザーボード採用パソコンの「UEFI BIOS Utility」画面。「起動」→「OSタイプ」で「UEFIモード」を選択できる

結局、10年くらい前のパソコンはUEFI非対応なのでWindows 11にはアップグレードできない

いかがだろうか? 実はUEFIが一般的になったのは2011年のこと。この年、IntelのCPU(Sandy Bridge)が登場したが、Sandy Bridgeに対応するマザーボードが一斉にBIOSからUEFIに切り替えたのだ。

また、この時期には2TB以上のHDDが当たり前になってきたことや、2012年登場のWindows 8の頃には4GB以上のメモリを認識できる64bit OSが珍しくなくなってきたことも影響している。

結局、UEFIが本格的に導入されてから、それまでのBIOSは「レガシーBIOS」と呼ばれるようになって区別されるようになった。

したがって、10年以上前のパソコンはUEFIを採用していない可能性が高く、このようなパソコンでWindows 11にアップグレードすることは不可能なのである。

Windows 11の公式サイトでの「UEFI、セキュアブート」画面

MicrosoftのWindows 11の公式サイトで、このような画面が表示されたら、「UEFI、セキュアブート」に非対応なのが原因かもしれない

●microsoft「Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する」(公式)は→こちら

文=すずきあきら/編集・ライター

Windows 11で必須になったBIOS(バイオス)の後継者「UEFI」って何なの?のページです。オトナライフは、【スキル・ビジネスBIOSWindows 11UEFI】の最新ニュースをいち早くお届けします。