同じ文面のメールをたくさんの人に送りたいとき、送信者の数だけ新規メールの画面を表示して、アドレスやタイトル、本文をコピペするのは手間だ。しかし、スプレッドシートにスクリプトを組み合わせれば、あっという間にメールを送信できてしまう!
BCCでは失礼にあたる人に一斉送信するには
(Image:BigTunaOnline / Shutterstock.com)
同じ文面を一斉送信するには、通常、宛先かBCC、あるいはCCにずらりとメールアドレスを並べる。ただし、宛先やCCにメールアドレスを並べると、お互いに同じ会社の所属や知り合いでもない限り、現在では個人情報保護の観点から問題があるとされてしまう。BCCにメールアドレスを入れておけば、互いにメールアドレスを目にすることはないが、まったく同じ文面が一斉送信されるため、「◯◯◯株式会社 ××様」といった宛名が入れられない。自分が目上ならいいが、相手が目上の場合は失礼に感じる人もいるだろう。
これを避けるには、GmailとGoogleスプレッドシート、それにGoogleドキュメントを組み合わせてメールを送信してみよう。スプレッドシートに宛先の社名、担当者名、メールアドレスを入力したものを用意し、ドキュメントに一斉送信したい文面を入力する。あとは、スプレッドシートにGoogle Apps Scriptで作成したスクリプトを入力して実行ボタンをクリックすれば、「◯◯◯株式会社 ××様」という宛名入りのメールをあっという間に一斉送信できるのだ。
なお、この機能では1日に100通までしか送信できない。また、迷惑メールを送信するのに使用すると、Googleからペナルティを受ける可能性がある。
まずスプレッドシートで「社名」「担当者名」「メールアドレス」の列を作って、送信したい相手のリストを入力する。できあがったら、「ツール」メニュー→「スクリプトエディタ」を選択する
すると、このようにスクリプトエディタが起動する。1行目と3行目の間にスクリプトを入力していくが、その前に送信したい文面をドキュメントで作成しておこう
送信したい文面を入力する。1行目の「{社名}」にはスプレッドシートで入力した社名が入る。同様に2行目の「{担当者名}」にはスプレッドシートの担当者名が入る。入力できなら、URLの「/d/」の後ろから「/edit」の前までの文字列を選択してコピーする。なお、この文字列は暗号化されたドキュメントのIDで、同じものは複数存在しない
スクリプトを入力する。5行目にドキュメントのIDを入力することを忘れないようにしたい。また、8行目から10行目は自分の環境や送りたいメールの内容に合わせて変更してほしいが、9行目のアドレスは好きなアドレスを使えるわけではなく、使用しているGoogleアカウントのGmailで許可されているアドレスしか使えない。入力できたら実行ボタンをクリックする
スクリプトのコード
コードは以下からコピーして、スクリプトエディタにペーストして使ってほしい。ただし、必要な箇所は正しくカスタマイズしないと、意図しない動作が生じることがある。
▼ここから
var SheetName=SpreadsheetApp.getActiveSheet();
var SheetRow=SheetName.getDataRange().getLastRow();
var docMail=DocumentApp.openById(“ドキュメントのID”);
var strDoc=docMail.getBody().getText();
var strSubj=”新商品紹介のお知らせとお願い”; //タイトル
var strFrom=”◯◯◯◯@gmail.com”; //Fromのアドレス
var strSend=”Ichirou Tanaka”; //差出人の名前
for(var i=2;i<=SheetRow;i++){
var strComp=SheetName.getRange(i,1).getValue();
var strName=SheetName.getRange(i,2).getValue();
var strToAd=SheetName.getRange(i,3).getValue();
var strBody=strDoc.replace(/{社名}/,strComp).replace(/{担当者名}/,strName);
GmailApp.sendEmail(
strToAd,
strSubj,
strBody,
{
from: strFrom,
name: strSend
}
);
}
▲ここまで
実行許可を求めるダイアログなどがいろいろと表示された後、このようにメールを送信できる
同様の操作はOutlookとExcelを組み合わせてもできるが、Google Apps Scriptを使用したほうが簡単だ。1日に送信できるメールの数などに制限はあるが、いろいろ使いみちはあるので、Gmailを利用している人はぜひ試してみてほしい。