スマホでWi-Fiに接続するとき「2.4GHz」と「5GHz」ってどちらに接続すべきなの?

スマホでWi-Fiに接続するとき、Wi-Fiの電波一覧に「〇〇-A」と「〇〇-G」の2つが表示されることがありますよね。実はこれ、Wi-Fiの周波数帯である「2.4GHz」と「5GHz」を表しているんですが、いったいどちらに接続すればいいのでしょうか? そこで今回は、Wi-Fiの2.4GHz帯と5GHz帯の違いと、どちらに接続すべきかを解説します。

Wi-Fiには大きく分けて2つの周波数帯がある!

スマホやパソコンで、自宅や会社のWi-Fi(無線LAN・親機・アクセスポイント)に接続しようとすると、Wi-Fiの電波一覧に「〇〇-A」と「〇〇-G」の2つSSID(電波名)が表示されることがあります。

同じWi-Fiルーターから発信されている電波なのに、どうして2種類の表記があるのか不思議に思った人も多いことでしょう。これって、いったいどっちに接続すればいいんでしょうか? 

スマホでWi-Fiに接続するとき、SSID(電波名)が2つ表示されることがあります。「〇〇-A」とあれば5GHz、「〇〇-G」は2.4GHzの周波数帯となります

Wi-Fiルーター本体の背面を確認してみると、「SSID(5GHz)Buffalo-A-9A60」と「SSID(2.4GHz)Buffalo-G-9A60」の2つの電波があることが分かります(筆者撮影)

そもそも、Wi-Fiの規格は「IEEE」という世界標準規格を策定する“米国電気電子学会”で定められいます。正式名称は「IEEE802.11」であり、頭のIEEEは“アイ・トリプル・イー”と読みます。

「IEEE802.11」のあとに「11b」「11g」「11a」「11n」「11ac」「11ax」といった名前が続き、これが規格の正式名称になっているのです。

しかし、これでは覚えにくいということで、現在では業界団体の「Wi-Fi Alliance」が定めた愛称の「Wi-Fi」ロゴで表示されるようになっています。

●Wi-Fi Alliance(公式)は→こちら(英語)

(Image:wi-fi.org)

こちらがWi-Fi規格とロゴです。最新のWi-Fi 7は「IEEE802.11be」、Wi-Fi 6は「IEEE802.11ax」、Wi-Fi 5は「IEEE802.11ac」、Wi-Fi 4は「IEEE802.11n」ということになります(画像はWi-Fi Alliance公式サイトより引用)

Wi-Fiの規格は15年以上前は11bや11gが主流でしたが、その後11a→11n→11ac→11ax→11beと進化しており、新しい規格ほど通信速度も速くなります。

最新のWi-Fi 7は、まだほとんど使用されておらず、Wi-Fi 6/6Eが普及し始めたばかりです。

現在、Wi-Fiでは主に2.4GHz帯と5GHz帯が利用されており、Wi-Fi 4やWi-Fi 6対応のWi-Fiルーターなら「〇〇-A」と「〇〇-G」の2つのWi-Fi電波が発信されているわけです。

ちなみに、IEEE802.11axにはWi-Fi 6とWi-Fi 6Eの2つがあってややこしいのですが、Wi-Fi 6Eでは、新たに6GHz帯も利用できるようになっています。

ただし、Wi-Fi 6E対応Wi-Fiルーターは市販されたばかりであまり普及しておらず、現状では事実上2.4GHz帯と5GHz帯の2つがあると覚えておけばいいでしょう。

もちろん、将来的には超高速の6GHz帯も利用されるようになるはずです。

こちらがWi-Fi規格をまとめた表です。現状で普及しているのはWi-Fi 6までなので、とりあえず、Wi-Fiの周波数帯は2.4GHz帯と5GHz帯の2種類があると覚えておけばいいでしょう(表は筆者が独自に作成)

2.4GHz帯と5GHz帯、それぞれのメリットとデメリットは?

まず、2.4GHz帯の特徴を紹介します。2.4GHz帯は障害物に強く電波が遠くまで届きやすい特性があり、これがメリットとなります。

10年以上前にかなり普及した規格で使われていたこともあり、古いパソコンやゲーム機などでは今でも2.4GHzの「11g」が使われています。

ただし、2.4GHz帯はWi-Fiだけでなく、Bluetooth機器や家電製品など、さまざまな電子機器で使用されているため、混線すると不安定になることがあるのが大きなデメリット。

たとえば、電子レンジを使うと電波干渉を起こしてWi-Fiの接続が切れてしまうほか、マンションなどでは、隣の部屋の電波の影響を受けて速度が遅くなる場合も……。

2.4GHz帯は壁があっても遠くまで電波が届きますが、通信速度は遅く電波干渉を受けやすい特性があります(図は筆者作成)

これに対し、5GHz帯は室内ではWi-Fiでしか使われないので、電波干渉を受けにくいのが特徴。また、2.4GHz帯よりも通信速度が速いのがメリットとなります。

しかし、5GHz帯の電波はあまり遠くまでは届かず、障害物に弱いというデメリットもあります。

5GHz帯はあまり遠くまで電波が届かないうえに障害物に弱いのが特徴です。ただし、近くにWi-Fiルーターがあれば、非常に高速で電波干渉も受けにくいのがメリットとなります(図は筆者作成)

結局、2.4GHz帯(〇〇-G)と5GHz帯(〇〇-A)はどっちがいいの?

2.4GHz帯と5GHz帯、それぞれの特徴やメリット&デメリットが分かったところで、結局、どちらを使えばいいのか検証してみましょう。

まず、基本的な考え方として「5GHz(〇〇-A)」のほうが通信速度が速いので、Wi-Fiルーターが目視できる自宅やオフィスなどで接続するなら「5GHz」で接続するのがオススメになります。

これに対し、Wi-Fiルーターがある場所から離れた部屋で接続するなら「2.4GHz(〇〇-G)」のほうがオススメです。

もちろん、古い機器ではそもそも2.4GHz帯でしか接続できない場合もありますか……。

ここ5~6年で購入したスマホやパソコンをWi-Fiに接続するなら、基本的には5GHz(〇〇-A)で接続しておけばよいでしょう

まとめ

いかがでしょうか? 現在、Wi-Fiで主に使われている2つの周波数帯「2.4GHz」と「5GHz」の違いが何となく分ったでしょうか? 

スマホでWebサイトを見るくらいなら、正直言ってどちらでつないでも問題ありませんが、高画質な動画をネットで観たり、データをダウンロード&アップロードするときなどは差が出ると思います。

極端にWi-Fiの速度が遅かったり接続が途切れる場合は、Wi-Fiの設定で「〇〇-A」と「〇〇-G」を切り替えてみてください。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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