過去の遺物と思いきや、ビジネスの場ではなかなかしぶとく生き残っているFAX。近年ではオフィス用プリンターなどの中に内蔵されていることも多く、「業務でたびたびFAXを使っている」という読者もいるのではないだろうか。
しかしそんなFAXが、若者を対象に行われたアンケートで“存在さえ知られていない”事実が明らかになった。
10代、4人に1人が「FAX知らない」…男女差も
ITツール比較サイト「STRATE(ストラテ)」を運営する株式会社SheepDogが、全国の15~29歳の男女を対象に「FAXに関するアンケート」を実施し、結果を公表した。
固定電話すら消えつつある家庭では、すでに絶滅危惧種ともいえるFAX。しかしビジネスの場となると業界によってはいまだに現役で活躍しているのが実情だ。調査によると、そもそも「FAXを知らない」が全体の20%と、5人に1人が存在自体を知らないと回答。年齢別で見ると「FAXを知らない」と回答しているのは10代が24%と約4人に1人で、20代の約6人に1人(16%)と比べると高い割合になっている。単純な世代差以外に、20代は社会人として働いている割合が増えることから、まったく存在を知らないという人は減るのだろう。
さらにアンケートでは気になる数字も。「FAXを知らないと回答した男女別の割合」を見ると、女性の14%に比べて男性は26%と知らない人がより多い結果に。令和になっても男女平等とはなっておらず、女性が事務職などの裏方の仕事につく割合が多い実情が透けて見えるような結果となった。
FAXに縛られ続ける日本のビジネスシーン
「日本でFAXが現役」という事実は、10年以上前から海外の反応が引用されるなどしてたびたび自虐ネタになってきた。2021年7月に当時行政改革担当相の河野太郎氏が「惰性でFAXを使うのはやめ、メールに切り替えてほしい」と方針を打ち出したときは、中央省庁が立ち並ぶ霞ヶ関から猛反発が。エリートが集っているはずの霞ヶ関でさえ、デジタル化への道は遠いのかとため息が出たものだ。
メールで送ってくれれば手元のスマホで確認できるはずなのに、FAXを利用されることで出社しなくてはいけなくなる。テレワーカーではなくても、非効率だと感じることは少なくない。送り間違いなどのミスを考えれば、セキュリティ管理に優れているとも言い難いだろう。
しかし取引先とのやりとりに必須という職場もあるため、その意見も無下にはできない。回りくどいが、パソコンやスマホから送受信ができる「インターネットFAX」を導入するなど、できるところから慣らしていくといった“作戦”が必要なのかもしれない。
出典元:【2021年版】おすすめのインターネットFAX5選を紹介|導入のメリットや選び方も解説【STRATE】