コロナ禍で加速した、さまざまなビジネスシーンにおける業務のデジタル化。これまでの紙とハンコの契約書に代わり電子契約が導入されたり、電話やメールが主だったコミュニケーションツールの代わりにビジネスチャットが導入されたり。コスト面や効率面でメリットが大きい業務のデジタル化だが、あなたはそんなデジタル化についていけているだろうか?
そこで今回はこのデジタル化の波のなかで働く人たちが「デジタル化で苦労していること」のランキングを紹介する。
デジタル化についていけていない人は約2割
株式会社progateとMMD研究所は共同で、2022年1月に「従業員からみたデジタル課題に関する実態調査」を行なった。対象となったのは20歳から59歳の正社員の男女10,000人。ここではその調査結果から、デジタル化で苦労していることのランキングを抜粋し紹介する。
まず「業務のデジタル化についていけているか」の質問に42.5%の人が「ついていけている」と回答する一方で、「あまりついていけていない」「ついていけていない」と回答した人は20.7%とやはり一定数の人がついていけていないことが分かった。
では、業務のデジタル化に関してどんなことに苦労しているのだろうか。14.2%の人が回答し第6位となったのは、そもそも「会社の体制によってデジタル化ができない」ということ。大きなメリットがある反面、セキュリティ対策が必要になるなどデメリットもありなかなか思うようにデジタル化が進んでいかない、という現実もあるようだ。
17.1%の人が選んだ第5位は「デジタルやITについて疎い社員に教える必要がある」という意見。特に年配のベテラン社員がデジタル化に慣れずに若手が教える、という場面はどんな職場でもあるかもしれない。続いて20.2%の人が選んだ第4位は「デジタルに関連する用語が難しい」。聞き慣れない横文字のIT用語に苦労する人は年代問わず多いようだ。
多くの人がデジタル化で最も苦労することは?
24.2%の人が選び第3位となったのは「セキュリティ対策の強化、知識向上が大変」という点。導入する以上セキュリティ対策は必須であるし、全員が使いこなせなければ業務に支障が出てしまう。仕方ないが納得の第3位だ。次いで24.7%で第2位にランクインしたのは「電子機器を使いこなせるようになるのが大変」という意見。これまではほとんど業務上電子機器を使うことがなかった職種の人などは特に苦労するのではないだろうか。
そして、35.7%の人が回答し「デジタル化で苦労すること」の圧倒的第1位となったのは、「慣れたやり方から移行するのが大変」ということだった。どんな業界でも世代問わず、やはりこれまでの慣れたやり方が急に変わることに苦労している人は多いようだ。
どんなにメリットが大きい変革でも、誰しも慣れるまで最初は大変だ。その最初の壁に当たって、「大変だから、変わらない方がよかった。前の方が良かった」などと投げ出したくなることもあるかもしれない。
だが、それでは人も企業も社会も進化していけない。新しいことを受け入れ、積極的に学び自分のものにしていく、そんな基本的な姿勢が今こそ、苦手意識がある人ほど求められているのかもしれない。
出典元:従業員のデジタルスキル学習は約3割に留まるがデジタルスキルへの興味は約7割【MMD研究所】