複数のNICを同時に利用できるようにすることをチーミングという。Windows Server 2016では、どのようにチーミングの設定を行えばいいのだろうか。この記事では、Windows Server 2016のチーミングの設定と削除の方法について詳しく解説する。
チーミングとは
チーミングとは複数のサーバーに搭載されているNIC(ネットワーク・インターフェースカード)を、1つの仮想NICとして利用できるように束ねる技術である。
チーミングを設定するメリットには、1つのNICに不具合が生じても、他のNICでカバーできる点である。システムに何らかの障害が発生しても、チーミングされている他のNICでカバーできるので、システム全体がダウンすることを避けられる。
チーミングの種類
チーミングには、リンクアグリゲーション、フォールトトレランス、ロードバランシングの3種類ある。
リンクアグリゲーションとは、複数のNICを使用して冗長性をもたせながら、同時に帯域幅を増加させるチーミングである。この方法では、システム全体が1つにまとまりながら、いずれかのNICで不具合が生じても、ほかのNICが通信をカバーできる。
フォールトトレランスとは、NICを稼働中のプライマリと待機中のセカンダリに分けて使用するチーミングである。通常はプライマリが稼働しているが、プライマリに不具合が生じた場合にはセカンダリに切り替えることができる。
ロードバランシングとは、複数のNICにトラフィックを分散させるチーミングである。トラフィックの分散により単位時間あたりの処理能力は向上する。
チーミングの効果
チーミングを設定する効果とは、システムをメンテナンス以外で遮断する必要がなくなるという点である。複数の物理NICを使用することで、使用帯域を広げる効果もあり、システム障害にも強くなる。
【Windows Server 2016】NICチーミングの設定方法【新規作成】
Windows Server 2016でNICチーミングを設定する方法は次のとおりである。
【手順①】サーバーマネージャーのローカルサーバー画面にあるNIC チーミング項目の「無効」をクリック
まずは、Windows Server 2016でサーバーマネージャーを起動する。サーバーマネージャーが起動したら左ペインで「ローカルサーバー」を開く。
「ローカルサーバー」の「プロパティ」の「NICチーミング」の「無効」をクリックする。
【手順②】チーム欄の「タスク」をクリックし「チームの新規作成」をクリック
「無効」をクリックするとWindows Server 2016でのNICチーミング設定画面が開く。「チーム」の「タスク」の右側の「▼」をクリックする。「チームの新規作成」をクリックする。
【手順③】チーム名を入力し各項目の設定をし「OK」をクリック
「チームの新規作成」画面が開いたら、「チーム名」を入力する。「メンバーアダプター」を設定する。その下の追加のプロパティも必要に応じて設定する。設定できたら「OK」をクリックする。
前の画面に戻ったら、「チーム」に表示されている新しいチーミングが「OK」になっているか確認する。また、「アダプターとインターフェース」で設定したアダプターが「アクティブ」になっているか確認する。
サーバーマネージャーのローカルサーバー画面まで戻り、画面上部にある更新ボタンをクリックする。更新後に新規作成したチーミングが「有効」と表示されていれば設定完了である。
【Windows Server 2016】NICチーミングの設定方法【削除】
Windows Server 2016でチーミングの設定を削除する方法も見ておこう。
【手順①】サーバーマネージャーのローカルサーバー画面にあるNIC チーミング項目の「有効」をクリック
Windows Server 2016でサーバーマネージャーを起動する。サーバーマネージャーが起動したら左ペインで「ローカルサーバー」を開く。
「ローカルサーバー」の「プロパティ」の「NICチーミング」の「有効」をクリックする。
【手順②】削除したいチームを選択した上で「タスク」をクリックし「削除」をクリック
表示された画面の「チーム」にWindows Server 2016で作成したチーミングが表示されている。削除したいNICチーミングを選択して「タスク」の「▼」をクリックする。タスクに表示された「削除」をクリックする。
【手順③】「チームの削除」をクリック
チーミング削除の確認画面が表示される。「チームの削除」をクリックする。
NICチーミングの設定画面に戻り、「チーム」からチーミングの表示が消えていることを確認する。
もう一つ前の画面の「ローカルサーバー」画面に戻り、画面の上の更新ボタンをクリックする。更新後にNICチーミングが「無効」と表示されて、チームのメンバーに追加されていたアダプター名が表示されていることが確認できれば削除完了である。