ここ数年ですっかり定着したWeb会議システム。「Zoom」や「Google Meet」、「Microsoft Teams」に「Skype」と、これらのツールがないと仕事が進まないという環境下の人も多くなってきているのではないだろうか。そんな中、Zoomが2022年5月2日付で無料アカウントでのミーティングの時間制限の変更を発表した。
Zoomの時間無制限が廃止 無料プランの2人会議は、40分制限に
このコロナ禍でライフスタイルやワークスタイルが変化し、存在感が増したもののひとつにWeb会議があげられるだろう。同じオフィスにいなくても場所を問わずに自宅からでも、あるいは遠方からでも会議に参加できるという画期的なスタイルが定着したのは、コロナ禍のよい側面なのかもしれない。
子どもの習い事や、友達同士オンラインゲームをしながらZoomで会話するなどのツールとして使用することも珍しくなくなった昨今だが、先日の5月2日にこの便利ツールの時間無制限が廃止されてしまった。Zoomが無料プランを40分に制限すると発表したのだ。3人以上の会議で40分の時間制限がかかるのは今まで通りだが、2人の会議は24時間無料で行えたところ、これからはそれにも40分の制限がかかってしまうのだ。
人が集中できるのは50~60分と言われるのに、なぜ40分に刻んでしまったのか
今回、Zoomが発表したルール変更は、会議のホストが無料アカウントの場合であり、有料アカウントの場合はこのルールは適用されないし、また有料アカウントのホストが開催した会議に参加する場合、参加者が無料アカウントでも制限時間を気にする必要はない。
しかし、このルール変更では、ユーザーはZoomから他の競合サービスに流れてしまうことも危惧される。
たとえば、Google Meetの無料版は2人会議だと24時間制限と実質使い放題だし、3人以上100人以下の会議となると60分の時間制限となる。Microsoft Teamsも3人以上100人以下の会議は60分無料で使える。一般的に人が集中できるのは50~60分が限界とも言われており、その観点からしても60分のリミットを設けているGoogle MeetやMicrosoft Teamsは理にかなっているように思える。
知名度が抜群のZoomなので、このルール変更でもユーザーが減ることはないとの見通しなのか、意図はくみとれないが、5月15日までの期間限定で2種類のプロモーションを行っている。1つ目は「『ベーシック』から『プロ』にアップグレードすれば、プロ月額プランの最初の6か月間を50%オフにする」というもの。2つ目は「プロ年額プランだと、最初の年を40%オフにする」とのこと。“お試し価格”で有料アカウントを体験してもらう狙いなのだろうが、はたしてどれだけのユーザーが有料アカウントに移行するかはふたを開けてみなければわからない。
ただでさえ、たくさんのWeb会議のツールがある中で、このルール変更はどのように影響していくのだろう。今後のシェアの推移にも要注目だ。
●2022年5月2日 – 無料アカウントでのミーティングの時間制限の変更【Zoom サポート】
※サムネイル画像(Image:Ink Drop / Shutterstock.com)