去る日本時間の6月16日、Windows 10における「Internet Explorer 11(IE11)」のサービスが終了し、マイクロソフトのインターネットブラウザ「Internet Explorer」の27年に渡る時代が終わった。しかし、かつて一斉を風靡しただけあってか、サポートから外れた今もIEを使い続けている人が一定数いることが、その後のアンケートから判明した。
業務上のIE利用、いまだに根強い結果に
調査はIEが終了したあとの6月28日から7月15日にかけて、ソフトウェア関連会社のバルテス株式会社が運営するポータルサイト「Qbook」にて行われた。
まず「現在の業務の中で、IEを使用していますか?」という質問には、「IEを使用している」と回答した人が12%、「EdgeのIEモードを使用」と回答した人が35%という結果になった。両者を合わせると47%の人が、今もIEを使い続けているということになる。サービスこそ終了したものの、需要がなくなったわけではないのだ。
続いて「業務でIEを継続使用している理由について」を尋ねたところ、最も多かったのが「社内の業務システム上利用せざるを得ない」で65%にものぼった。また、2番目に多いのは「顧客対応で必要なため」が17%、そして4番目は「社内でIEを使うよう決められているため」が5%。
3番目の「自分が使い慣れているため」(8%)を例外として考えれば、個人の意向ではなく、組織としてIEから他ブラウザへの移行対応が追いついていない現状が見て取れた。
止むを得ないとはいえ、12%を占めるいまだに「IEを使用している」と回答した人たちは、セキュリティの脆弱性などが心配されるため、早急に後継ブラウザ「Edge」のIEモードに切り替えたほうが身のためだろう。現時点で、IEモードは2029年までのサポートが約束されている。
もちろん、IEモードもこれまでのIEとまったく同じというわけではない。IEモード利用者に向けた「EdgeのIEモードは、IEと比べ、挙動などに差異や問題はありますか?」という質問では、19%の人が「ある」と答え、読み込みスピードの違い、画面レイアウトの崩れ、業務システムが動かないなどの問題を挙げていた。割合は少ないとはいえ場合によっては死活問題だが、IEのサポート終了はかねてアナウンスされていたものであり、企業をはじめとした組織がEdgeやChromeなど、他のブラウザに最適化してこなかった結果だといえる。
恐ろしいのは、今はIEを使えていたとしても、明日も同じように使える保証はないということだ。マイクロソフトは、IEのアイコンをクリックしてもいずれは強制的にEdgeにリダイレクトされるようになると予告している。明日、急に「仕事ができなくなった!」という事態を避けるためにも、本気で移行に力を入れたほうがよさそうだ。
出典元:【2022年】Internet Explorer 11 サポート終了に関する実態調査【Qbook】
※サムネイル画像(Image:monticello / Shutterstock.com)