ダークウェブは、通常の方法では見ることができずTorなどの匿名化ツールを使用した場合にのみアクセスできるウェブコンテンツです。
ダークウェブは匿名性保持や追跡回避の技術が使用されており、サーフェスウェブでは閲覧できない違法情報なども扱われています。こう言われると「実際にダークウェブに入ったらどうなるのか」気になりますよね。
そのため今回はダークウェブの閲覧の技術を紹介しつつ、サイトに入るとどうなるのか「危険性」について詳しく解説していきます。結論から言えばダークウェブの閲覧に利用される技術そのものには違法性はありませんが、購入できるモノやサービスには違法性や危険性があるため要注意。
ダークウェブを見たら酷い目にあう?
ダークウェブは「閲覧するだけ」なら特にユーザーが危険や酷い目にあうことはありません。たとえばダークウェブにはネット規制が敷かれている国向けのニュースサイトやSNSもあります。研究者向けの論文などの情報が普通に公開されていることもあり、これらの情報には特に危険性などはありません。
つまりダークウェブの技術そのものや、ダークウェブに流通する情報全てが違法というわけでは無いです。
セキュリティ面でも基本的には安全です。一般的にダークウェブの接続には「Tor(トーア)」と呼ばれるユーザーの身元を特定されにくくする技術が使用されているためです。
ただし、あくまで「見る専」ならおおむね安全ということに過ぎません。ダークウェブで商品などを購入した場合には、危険性が高まるため要注意。
ダークウェブで実際に買えるものの例
匿名性が高いこともあり、実際にはダークウェブ上でドラッグや個人情報、サイバー攻撃向けのツールや詐欺のチュートリアルなどの違法取引が横行しているのも事実です。実際に、以下のようなものが購入できます。
・詐欺のチュートリアル
・ドラッグ
・新しい身分
・偽札
ちなみにドラッグはダークウェブを利用した取引が特に多いものの1つ。ドイツでは、ダークウェブでのドラッグ販売をリアルに描いたドラマ「ドラッグ最速ネット販売マニュアル」が人気になっています。
ダークウェブへの入り方と検索方法
実際にダークウェブに入る方法と検索方法を紹介します。
●Tor公式サイトは→こちら
Tor自体は安全なプライバシーツールですが、より強固にプライバシーを保護したいならVPN「Virtual Private Network (仮想プライベートネットワーク)」と接続したうえでの使用がおすすめ。
●TOR Browser(iPhone)は→こちら
ダークウェブ上でサイト閲覧する際は、日本語対応でダークウェブ上のWikipediaの役割を果たしている「Hidden Wiki」が参考になります。他には人気ダークウェブ検索エンジン「Torch 」では怪しいサイトを含めさまざまなリクエストが処理されており、こちらも参考になります。
ダークウェブを見て「酷い目」にあわないために守るべきこと
基本的に個人情報を入力しない限りはダークウェブ上で身元を特定されることはありませんが、アクセスする際には以下の点に気を付けましょう。
匿名性を担保した上で接続する
ダークウェブを閲覧する際は、必ずTorブラウザとVPNを併用して接続してください。ダークウェブ上で個人情報の入力もしてはいけません。
ダークウェブで商品やサービスの購入はしない
ダークウェブ上で取引されているドラッグや偽札などはいずれも違法。閲覧自体は違法になりませんが、これらを購入すると罪に問われる可能性があります。
また販売自体が詐欺で、商品が届かなかったり個人情報を抜かれたりする可能性も考えられます。被害にあっても相手もダークウェブを使っているため身元の特定は難しいでしょう。
違法性が高いコンテンツを閲覧しない
一般の検索では閲覧できないような残虐性の高いコンテンツもあります。このようなコンテンツをみて「酷い目にあった」と感じるケースもあるため、怖い者見たさで利用するのはおすすめしません。
ダークウェブ関連で実際に発生した事件の例
ダークウェブ関連で事件も発生しています。ダークウェブ上で世界最大級の「児童ポルノサイト」を作っていた運営者は、実際に逮捕され実刑付きの判決を受けています。また、日本国内では2020年12月に607の国内企業や行政機関がサイバー攻撃を受けましたが、脆弱性を抱えた機器の情報がダークウェブ上で公開されていたのがひとつの原因でした。
まとめ
ダークウェブを閲覧するなら、必ずTorとVPNを接続して利用しましょう。ダークウェブ上のコンテンツは必ずしも違法なものばかりではありません。普段の検索では閲覧できない情報などを知りたい場合や、気になる情報がある場合はダークウェブで調べてみてはどうでしょうか。