GPT-4とは、OpenAIが開発した大規模言語モデルChatGPTの最新バージョンです。GPT-3よりも幅広い一般知識と問題解決能力があるとされています。2023年3月14日にリリースされたGPT-4は、今のところ有料プランのChatGPT Plusへ加入することで利用できます。なお無料版のChatGPTでは、GPT-3.5のみ使用できます。
GPT-3.5では、質問の文脈を読み取る力が物足りず、求める回答とズレが見られたような項目でも、GPT-4では正確な回答が可能。今回はGPT-4の登録方法や、より詳しい性能差、料金などを解説します。
GPT-4とGPT-3.5の違い、性能差
たとえばこちらの記事で紹介した「ロジックツリー」の作成プロンプトを、同じようにGPT-4、GPT-3.5でそれぞれ出力してみましょう。
・プロンプト
「課題」を参照の上、「手順」に従ってロジックツリーを生成。そのロジックツリーを出力してください。なお出力は「ロジックツリー」のみとし、それ以外を出力しないでください
# 親課題
現在、20万PVの自社のオウンドメディアを100万PVに伸ばすには
# 手順
1.「親課題」を参照し、ロジックツリーを作成するための、子課題をChatGPTが任意の数だけ出力する
2.子課題をさらに分解して「孫課題」を任意の数だけ出力する
3.出力した「孫課題」に対して「結論」も出力する
4.「親課題」「子課題」「孫課題」「結論」をチャート状に出力する
5.そのチャートで設けられている課題が「MECE」になっているかどうかをチェック。MECEになっていなければ、2に戻って再出力
GPT-4では親課題、子課題、孫課題、結論が分かりやすく構造化されています。親課題に対して4つの子課題があり、それぞれの詳細な課題と結論が一目で分かります。マインドマップなどにして出力しても良さそうな仕上がりです
GPT-3.5に同じ質問をすると、「親手順」「手順」「子課題」という分類方法となり、「孫課題」と「結論」が抜け落ちています。また細かく一つひとつの回答を見ていくと「20万PVのオウンドメディアを100万PVに伸ばす」課題でありながら「アフィリエイトや広告収入の増加を目指す」というトピックと関係のない項目が含まれています。質問に対して適切ではない内容が含まれています
GPT-4とGPT-3.5の性能の差はパラメータ数の違いによるものと言われています。パラメータ数とは、ニューラルネットワークの学習時に調整される重みやバイアスなどの数値パラメータの数を指します。パラメータ数が多いほど、モデルはより複雑になり、より多くの情報を学習できます。GPT-4の正確なパラメータ数は非公表です。もっとも、GPT-3.5が1,750億パラメータであるのに対し、GPT-4のパラメータ数は5,000億以上から100兆程度とも言われており、仮に100兆だとするとGPT-3.5の約570倍とGPT-4ではパラメータ数が桁違いに大きくなっています
前述の通り、GPT-4についてはOpenAIが非公開にしている情報も多くなっています。推定値を含みますが、GPT-3.5とGPT-4の比較表は以下の通りです。
| 項目 | GPT-3.5 | GPT-4 |
| パラメーター数 | 1,750億 | 約100兆(推定) |
| 機能 | ・自然言語生成による文書作成 | ・自然言語生成による文書作成 ・画像入力による文章生成 ・画像・音楽・動画の生成 |
| 最大トークン数 | 2,048 | 32,768 |
| 利用方法 | ・OpenAIが提供するAPIを通じて利用 ・無料版のChatGPTで利用可能 |
・OpenAIが提供するAPIを通じて利用 ・ChatGPT Plus加入で利用可能 ・MicrosoftBingには搭載済み |
GPT-4は司法試験や国家試験に合格できるの？
GPT-4はどのくらいの実力を有しているのでしょうか。GPT-4は司法試験や国家試験に合格できるのか、研究結果をまとめました。
アメリカの司法試験：合格可能
GPT-4は、アメリカの模擬司法試験に受験者の上位 10% 程度のスコアで合格できる能力を示しました。一方、GPT-3.5 のスコアは下位 10% 前後でした。
参考元：Open AI GPT-4
日本の医師の国家試験：合格
GPT-4は、GPT-3.5より優れた成績で、過去5年分の日本の医師国家試験に合格できるレベルにあることが研究により分かりました。
参考論文：Evaluating GPT-4 and ChatGPT on Japanese Medical Licensing Examinations
GPT-4を使うには？登録方法と料金
GPT-4を使用するには、ChatGPT Plusへ加入することが必要です。ChatGPT Plusは、ChatGPTの有料プランで、月額20ドルで利用できます。ChatGPT Plusへ加入すると、GPT-4を利用できるだけでなく、優先的にアクセスが提供され、より多くの言語での対応が可能です。
ChatGPT Plusへの登録方法は以下の通りです。
【3】ChatGPT Plusへの切り替え手続き画面が開きます。③「カード情報」と「カード所有者名」、④「請求書の住所」を入力し、キャンセルがあるまで課金される旨の注意事項について⑤チェックを入れ、⑥「申し込む」をクリックすればChatGPT Plusへの切り替えが完了です
まとめ
今回はGPT-4とGPT-3.5との性能差や回答の質の違い、GPT-4が利用できる有料プランであるChatGPT Plusの登録方法や料金などを画像付きで解説しました。どんどん進化していくChatGPTですが、ChatGPT Plusの月額利用料20ドルというと、1ドル135円計算で月額2,700円。1年間利用すると32,400円かかるため、やや高価に感じますが、ChatGPTの画面上ですぐにキャンセル可能なので、まずは1カ月など短期間利用してみるのもおすすめです。
※サムネイル画像（Image:Sam Salaubie / Shutterstock.com）