部下の成長のカギは「上司との対話」にあり…だが、上司と部下の認識ずれも…【コーチ・エィ調べ】

新卒の3年以内離職率が3割を超え、いまや終身雇用と相反するキャリアアップ・自分らしいライフスタイルを目的とした転職が当たり前となった。この春も採用したばかりの新卒社員が早々と退職したり、手塩にかけて指導してきた若手社員が他社に移るといった事態に、直面した管理職もいるのではないだろうか。転職主流の社会にあって、自社に魅力を持ち続け、仕事に前向きな気持ちで取り組んでもらうにはどうすればいいのか。悩めるビジネスパーソンに一筋の光を射すアンケート調査結果が発表された。部下に自身を持たせるカギは「対話」にあるようだ。

“部下のため”の対話機会が多いほど、部下は自信を高めていく傾向

直属上司が「部下のため」に時間を使って話す回数が多いほど「いい仕事をしていく自信がある」部下の割合が多い

アンケート調査結果は「令和の若手社員のトリセツ」になるか(「株式会社コーチ・エィ」調べ)

6月2日、コーチ・エィは部下の育成に関するアンケート調査結果を発表した。同社が展開するコーチング研究所が、従業員100名以上の国内企業に勤務するビジネスパーソンを対象に調査した仕事現場のリアルを浮き彫りにしたデータだ。

社内でいわゆる“部下(上司がいる)”の立場にある424名を対象にした「あなたの直属の上司は、あなた自身のために、一週間に何回くらい話す時間を取ってくれていますか。」「私はいい仕事をしていく自信がある。」の問いでは、対話と部下の自信の因果関係が明らかになった。週に5回以上話す機会を設けられている部下のうち、「とてもよくあてはまる・あてはまる(いい仕事をしていく自信がある)」と回答したのは35%で、週に0~1回の対話機会にとどまっている部下は22%だった。

上司は自己満足にご注意! 約3割の部下が「上司は対話の時間をほぼ作っていない」と回答

直属の上司は、あなた自身のために、一週間に何回くらい話す時間を取ってくれていますか?

部下の心中をのぞくと上司とのリアルな関係性が見えてくる(「株式会社コーチ・エィ」調べ)

対話機会が多いほど部下の自信が高まる傾向にある点について、同社は単に上司が時間を取って話すだけではなく、部下が「上司が自分のために時間を取ってくれている」と感じる時間になっているかが重要だと分析。つまり、「私は対話の場を設けて、部下と積極的にコミュニケーションをとっている」と、上司が諸手を上げて喜ぶには早いということだ。対話の内容によっては、部下自身は「上司とまったくコミュニケーションがとれない」と不満を持っている可能性があり、お互いの認識にギャップがあるからだ。

事実、先の設問「あなたの直属の上司は、あなた自身のために、一週間に何回くらい話す時間を取ってくれていますか。」では、約3割の部下が「週に0~1回」と、ほぼ対話の機会をつくってもらえていないと答えている。仕事の合間に「仕事で困っていることはない?」「なんでも言ってね!」と話しかけるだけでは、部下が抱える仕事の不安は解消されず、自信を膨らませるにはいたらないのかもしれない。

パワハラやセクハラなどが問題になっている現代において、部下との適切な距離感に悩む上司は多い。ハラスメントを恐れて腫れ物を扱うかのように、当たり障りのなくコミュニケーションをとるだけでは、部下の成長速度は上がらないようだ。壁に直面する部下に対しては、思い切って、ひざを突き合わせて対話する機会を設け、その回数を増やしてみてはいかがだろうか。

出典元:【株式会社コーチ・エィ/PR TIMES

オトナライフ編集部
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