ChatGPTアプリを日本語のテキスト入力/音声入力で使う方法と注意点、おすすめ設定

OpenAIが提供する「ChatGPT」。すでにiOS/Android向けにアプリ提供が始まっていることに加え、たとえば2023年7月にはメルカリとの連携が開始するなど用途も広がり始めています。

日本でもChatGPTアプリの提供が始まったことで、スマホからも使いやすくなりました。(【左】iPhone版ChatGPTアプリ【右】Android版ChatGPTアプリ)

しかし、いまいち「どんな使い方をすればいいのか」「そもそも日本語に対応しているか分からない」「日本語での回答品質や使い勝手を良くするにはどうしたらいいか分からない」方も少なくないのではないでしょうか。

この記事ではChatGPTアプリを日本語のテキスト入力や音声入力で使う方法と注意点、おすすめの設定について紹介します。

ChatGPTは日本語で使える?

結論から述べると、ChatGPTは日本語でも利用可能。基本的に日本語で質問すれば日本語で回答してくれます。

ChatGPTは日本語設定はないが、日本語で利用可能

そもそもChatGPTは多言語に対応している言語モデル。そのため、設定しなくても日本語で応答してくれます。

ChatGPTにログインしてアクセスすると、下に入力欄が表示されています。質問したい内容を入力して送信ボタンを押すと日本語で回答が表示されます

(画像は「OpenAI」より引用)

とはいえ、設定画面などは英語になっているので注意が必要です。なおこの点については、ブラウザ版では「アルファ版」として日本語対応が少しずつ進んでいます。アプリ版も、日本語対応に向けて徐々に準備が進むものと見られます。

日本語の音声入力でChatGPTに質問可能?

ChatGPTのアプリは音声入力で質問することが可能です。

音声入力は、ボタンを押してマイクに向かって喋りかけるだけ。音声は自動的にテキストに変換されて表示されるため、誤りがあったら修正し、送信ボタンを押せばChatGPTがそれに対する答えを出力してくれます

なお、音声入力については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

ChatGPTのメニューそのものは英語表記

ただしChatGPTアプリは「日本語での質疑応答」には対応していますが、2023年9月時点ではアプリのメニューや各種表示そのものが日本語に対応しているわけではありません。そのため注意書きやエラーメッセージは英語で表示されることが多いため、ご注意ください。

【参考】ChatGPTの英文で表示される注意書きの解説

ChatGPTアプリを使う際、先にも書いた通り、注意書きなどは英語で表示されるケースが多いです。そのため利用を始める際に表示される英文の注意書きを読み飛ばしている方も多いのでは?
重要なことがいろいろと書かれているので、参考までに日本語に翻訳してその内容も紹介します。

ログイン時、注意書きが英語で表示されます。【左】画面下の「Continue」を押すと、【右】ChatGPTが利用できるようになります。ChatGPTはシステムの改善のため、チャット履歴を使用することがあると記載されています。設定画面でチャット履歴を残さないように変更することも可能です

【おさらい】ChatGPTに日本語で質問し、日本語で返答を得る方法

あらためて、日本語でChatGPTで質問し、回答を得る方法をご紹介します。

【1】日本語で質問を入力します。【2】特に設定をしなくても日本語で回答が出力されます

ChatGPTに日本語で質問する際の注意点と対処法をご紹介します。

回答が英語表記になることがある

日本語で質問しても稀に英語で回答されてしまうことがあります。その場合、次の質問で「日本語で出力してください」と指示すれば日本語で出力してくれます。

不正確な情報が出力されることもある

日本語の回答に限ったことではありませんが、ChatGPTを含む生成AIの回答は正確な情報ではない場合があります。回答を信じすぎないことも大切です。

ChatGPTを日本語で利用する際におすすめの設定(Custom Instructions)

「Custom Instructions」はChatGPTの設定のひとつで、回答の出力前に文脈を指示したり、制約を与えることのできる機能。本機能はアプリ版でもブラウザ版でも対応しています。

今回は「Custom Instructions」を使った、回答を日本語で出力する際のおすすめ設定をご紹介します。回答品質が良くなりやすく、かつ誤って回答が英文で出力されるといったトラブルが減少します。

【1】回答は日本語で出力してください

「Custom Instructions」の「How would you like ChatGPT to respond?(ChatGPTにどのように対応してほしいですか?)」の欄に「回答は日本語で出力してください」と入力し、「Save」しておきましょう。

この設定を行うことで回答は必ず日本語になります

【2】質問者は「日本人」です

「Custom Instructions」の「What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?(より良い回答を提供するために、ChatGPTに何を知ってもらいたいですか?)」の欄に「質問者は『日本人』です」と入力し、「Save」しておきましょう。

この設定をすることでChatGPTは質問者が日本人であるという前提に立って返答を返すため、たとえば海外の文化などについて尋ねた場合には「より日本の人にとって分かりやすい解説」を意識してくれるようになります

【3】一般的な名詞や用語そのものに関する概要の出力はしないでください

「How would you like ChatGPT to respond?」に「回答は日本語で出力してください」にくわえ、「一般的な名詞や用語そのものに関する概要の出力はしないでください」と付け加えておくこともおすすめ。

ChatGPTは質問をすると、その返答の中で「用語の解説」などを長々とし始めることがあります。そうした「概要の説明」をすべて省くという設定を行うと、簡潔に結論だけを返してくれるようになります

多少技術的な話になりますが、ChatGPTの会話文の文字数はトークン数で制限されています。トークンはテキストを構成する最小単位のことで英語の方がトークン消費数。そのため「Custom Instructions」で「概要を省く」指定をすれば、日本語で出力される文章量そのものを減らすことも可能。つまり、動作や出力もサクサクになりやすいです

【おまけ】ChatGPTの回答品質は日本語と英語で差があるの?

ChatGPTの回答品質は、ChatGPTが事前に学習したデータの品質と量に左右されます。つまり日本語の回答品質は「日本語で学習したデータ」に左右されやすいという仮説が成り立ちます。

つまり同じ質問を「英語」と「日本語」で行うと、質問内容によっては「英語」の方がはるかに回答品質が良いということもあり得るでしょう。2例、実際に試してみました。

スティーブ・ジョブズの人生について日本語と英語でそれぞれ尋ねてみた

ChatGPT(GPT-3.5)にスティーブ・ジョブズの人生について日本語と英語それぞれで尋ねてみました。

スティーブ・ジョブズの人生略歴については、日本語と英語で同じポイントを押さえてまとめられていました。しかし、英語の方がより詳細な情報まで回答している印象があります。例えば、生い立ちについて、日本語では生まれた年と出身地のみが記載されていますが、英語では生年月日、出身地だけでなく、生後すぐに養子に出されたことも記載されています

つまりスティーブ・ジョブズの人生については、英語での質問の方が適していると言えます。

村上春樹の小説について日本語と英語でそれぞれ尋ねてみた

今度は日本人である村上春樹について日本語と英語で尋ねてみました。

どちらも内容に多少の誤りがありますが、代表作を中心に、日本語では5作品、英語では7作品が回答されました。日本語では作品のテーマについて一言で短く記載されています。英語では作品の概要も含めて回答されているため、どんな作品なのかイメージしやすいように感じた、というのが筆者の個人的な感想です

どちらの出力の方が優れているかは個人の主観にもよりますが、「スティーブ・ジョブズの人生略歴」ほどの品質差はないという感想です。

まとめ

日本語は難しい言語だと言われていますが、ChatGPTをはじめとする生成AIのほとんどが現在日本語に対応しています。中でもChatGPTを公開しているOpenAIは、日本オフィス設立に向けて動いており、今後、アプリ版でより日本語に適したアップデートが行われる可能性もあります。

事実としてすでにブラウザ版では、日本語対応のプレビュー版に相当する「アルファ版」の提供が始まっています(2023年9月13日時点)。もっとも現状では言語の特性の違いによって、微妙な違いが生じることも。ChatGPTアプリを日本語で使う際には、この点に注意しながら利用しましょう。

オトナライフ編集部
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