端末のアクセス記録や検索履歴などをもとに、個人の好みに合うと思われるPRを行うターゲティング広告。自分の興味関心に近い広告が表示されるようになるため、欲しい商品などを探しやすくなるが、一方で閲覧履歴などの情報を意図せずに収集されているため、否定的な意見も見られている。今回は、LMI株式会社が全国の18歳~60歳の男女600名を対象に行った「個人情報取得における意識調査」の結果を紹介する。
X世代では、過半数がオススメ広告の表示に否定的
まず、オススメ広告の表示に関する質問では、自分の興味のある内容であれば広告が表示されることに対して、過半数が「嬉しい」「どちらかといえば嬉しい」と回答。
とくに、Z世代やミレニアル世代はオススメ広告に好意的なようだ。一方、X世代は52.0%が「不快」「どちらかといえば不快」と答えており、上の世代のほうが広告表示に対する嫌悪感が強い傾向にあることがわかる。
インターネット上で個人情報が取得されることについては、「気にする」と回答した人は約65%。その理由として最も多く挙げられたのは「個人情報取得がどのように使われているかわからないから」であった。サービス向上のために個人情報は扱われるべきだが、その実態はユーザーには把握できないため、不安を抱えている人が多いようだ。そのほか「ターゲティング広告に追いかけられることが不快だから」「興味のない広告を配信された経験があるから」という理由も寄せられていた。
Z世代はCookieの同意に抵抗感が少ない傾向
端末が閲覧したWebサイトの履歴や入力データなどが保存されているファイル「Cookie」。多くのサイトでは、アクセス時にCookieを同意するか否か確認されるが、それに対し「どのような場合でも同意する」と答えたのは9.8%、「どのような場合でも同意しない」と回答したのは13.8%で、残りの76.3%は「場合による」と回答した。
世代別にみると、Z世代は同意することに抵抗がない人が多いが、一方で、X世代は「どのような場合でも同意する」と回答したのはわずか2.0%。自分の情報を取得されることに警戒心を持っている人が多いようだ。
上記質問で「場合による」と回答した人に対し、どのような状況であれば同意するかを尋ねたところ、「サイトの閲覧」「商品やサービスの利用」「割引クーポンの配布」については、それぞれ7割以上の人が「同意する」と回答。Cookieを受け入れることでお得になったり、直接的なメリットがあったりする場合は同意する人が多い。
しかし「自分の興味のある情報をオススメしてくれる」だけでは、Cookieに同意する人は半分もいないという結果に。オススメ広告の表示は情報を差し出す対価としては、割に合わないと考えられているのだろう。
出典元:【LMIグループ株式会社/PR TIMES】