転職はしたいけど、現在の職場を自力で辞められる気がしない…。そんな人が利用しているのが「退職代行サービス」です。マイナビが同サービスに関する調査を実施していたので、その結果を見ていきましょう。
退職代行サービスを利用した人は16.6%
株式会社マイナビは、正社員として働き2023年6月以降の直近1年間に転職した800人と、2024年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者1600人を対象に、「退職代行サービスに関する調査」を実施しました。
まずは、直近1年間で転職した人に退職代行サービスを利用したかどうか尋ねています。すると、16.6%が「利用した」、83.4%が「利用していない」と回答していることがわかりました。
この結果を年代別に見ていくと、退職代行サービスを最も多く利用しているのは20代の18.6%で、2位が30代の17.6%、3位が40代の17.3%、4位の50代になるとその数はグッと少なくなり、4.4%という結果でした。年齢が若いほど退職代行サービスを利用していることがわかります。
さらに職種別に見ていくと、1位は「営業」の25.9%、2位は「クリエイター・エンジニア」の18.8%、3位が「企画・経営・管理・事務」の17.0%、4位が「サービス職」の13.3%、5位が「技能工・建築・土木」の12.6%となりました。
退職代行を利用した理由は「引き留められた(られそうだ)から」が約4割
続いて、退職代行サービスを利用した理由についても調査。それによると、「引き留められた(引き留められそうだ)から」という理由が最も多く40.7%に。続く2位が「自分から言い出せる環境でないから」の32.4%、3位が「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」の23.7%などという結果でした。
退職したいと思っていても、なかなか辞めさせてもらえなかったり、そもそも言い出しにくい環境だったりと、様々な問題が同サービス利用のきっかけになっているという印象を受けます。
約2割が退職代行サービスを「今後も利用したい」と回答
最後に、退職代行サービスを今後も利用してみたいと思うか尋ねると、全体で20.1%が「今後も利用したい」と回答しています。年代別では30代が「今後も利用したい」という人が最も多く25.3%、職種別では「営業」が37.8%でトップとなりました。
約2割の企業に「退職代行サービスを利用して退職した人がいた」
一方、2024年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者に「退職代行を利用して退職した人がいたかどうか」を尋ねたところ、2024年の1月から6月の間に退職代行サービスを利用して退職した人がいたという回答は23.2%でした。過去の結果と比較してみると、2019年以前は15.7%であった利用者が年々増加傾向にあることもわかります。
業種別に見ていくと、退職代行サービスの利用者が最も多いのは「金融・保険・コンサルティング」の31.4%、2位が「IT・通信・インターネット」の29.8%、3位が「メーカー」の25.4%などとなっています。
引き留められたり、退職そのものを伝えづらかったりと、退職にまつわるストレスを一手に引き受けてくれる退職代行サービス。新たな門出を気持ちよく迎えるために、余計なトラブルで疲弊してしまわないように、こうしたサービスを利用しながら生きやすい環境を整えていきたいところです。また、企業側も、個々の新たな人生設計に対してより理解を示し、風通しの良い環境づくりを心がけることで、人材流出そのものを防ぐことができるかもしれません。
出典元:【株式会社マイナビ】