ChatGPTをはじめとする生成AIは、ビジネスや学習などさまざまなシーンで活用が広がりつつある。サービスの種類も多様になってきたが、どの生成AIが人気なのだろうか。アウンコンサルティングが、世界18カ国・地域を対象に主要な生成AIの検索ボリュームを調査しているので、その結果を紹介しよう。
ChatGPTが圧倒的な人気、Geminiがその後を追いかけている
2023年11月1日〜2024年10月31日に行われた調査では、ChatGPT、Copilot、Gemini、Perplexityなどの主要な生成AIツールに焦点を当て、各国・地域での人気度や市場トレンドを明らかにしている
その結果によると、ChatGPTはほとんどの国・地域で最も検索されている生成AIツールであり、その検索ボリュームは他のツールを大きく上回っている。ChatGPTは生成AIのさきがけとも言える存在で、広範な認知度と、シンプルでユーザーフレンドリーなインターフェースが人気の秘密と言えそうだ。教育、ビジネス、エンターテインメントなど多岐にわたる利用用途も、圧倒的な検索ボリュームの理由と言える。
ChatGPTに次いで人気なのは、Googleが提供するGemini。2024年10月時点での生成AIごとの検索ボリュームをランキング形式にした結果、8カ国でGeminiが2位となり、ベトナムでは1位という結果になっている。
GeminiはGoogleのサービスとの統合が行われており、Google検索のシェア率が高い国(ベトナム、タイ、マレーシアなど)で人気を集めている。また、タイ語やベトナム語を含む多くの言語で高精度な応答を提供するなど、多言語対応の進展が人気を集める要因となっている。
ビジネス利用の多いCopilotは、日本では3位に
日本で3位だったCopilotは、Microsoftが提供するサービス。Copilotはビジネスユーザーが主な対象で、企業内での業務効率化やプロジェクト管理の支援、文書作成や専門用語の活用が得意であることから、検索ボリュームとしてはやや低い結果となったようだ。
また、日本で4位だったPerplexityは、各国の主要な通信事業者との提携を積極的に進めており、その結果、検索ボリュームが増加傾向にあるようだ。日本では2024年6月にソフトバンクとの提携が開始されるなど、特に日本や韓国で検索ボリュームが上昇している。
中国では、ChatGPTなどの各種生成AIの国内利用が制限されているため、生成AIの利用は中国製のものに限定されている。だが、中国での生成AI市場は急速に拡大しており、Baiduの「文心一言(アーニーボット)」、Alibabaの「通義千問(トンイー・チェンウェン)」が特に注目されているようだ。また、世界知的所有権機関(WIPO)によると、中国の生成AIに関する特許出願件数は3万8000件を超え、これは米国の6倍であり、世界第1位となっている。
生成AIの普及に伴い、企業は自社のニーズに合った生成AIツールを選択し、効果的に活用することで、競争力を高めることが期待されている。今後ますます進展するであろうAI市場の動向には、引き続き注視が必要だ。
出典元:【アウンコンサルティング株式会社】
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