Windows 10がリリースされてからすでに5年が経過している。今までであればそろそろ次期OSの話が出てきてもおかしくはないが「Windows 11」は出ないのだろうか。それともWindows 10で最後になるのだろうか。これらについて解説するので参考にしてほしい。
「Windows 11」は出ない?
現在最も利用されているOSは「Windows 10」だ。リリースされてからはすでに5年が経過している。そろそろ「Windows 11」の話が出てきてもいいのではないかと思っている方もいらっしゃるのではないだろうか。しかし、「Windows 11」リリースの話はない。そもそも「Windows 11」は開発すらされておらず、今の所「Windows 11」は世に出回ることは無いのだ。つまり、「Windows 11」が出ない今の状況においてはWindows 10が最新で最後のWindows OSのアップデートだということになる。これらの現在のWindows OSのバージョンアップデートについて紹介しよう。
・Windows 10が最後のWindowsになる
Windows 10がリリースされるタイミングでマイクロソフトからある発表があった。それは、Windows 10が最後のWindowsになるといった内容だ。つまり、Windows 10以降はWindows 11などのOSのアップグレードを行わ無いということだ。
もちろん、Windows 10を出してそれでそれでサポートも期限がきたら終了というわけではない。この話の正しい意味は、今後はWindows 10をベースとしたアップグレード、各種アップデートでサポートを行っていくという意味である。つまり、Windows 11は出ないがWindows 10の中でバージョンアップを行い各種アップグレード、アップデートをサポートしていくという意味である。Windowsは「Windows 10」以降は「Windows 11」などの新しいバージョンのWindowsは発売されないという意味で「Windows 10が最後のWindowsになる」と発表されたわけだ。
・今後は無料アップデートの提供のみ
これまでのWindows XPなどの古いバージョンのOSの場合、サポート期限が切れた場合は新しいバージョンのOSにアップデートする必要があり、アップデートする際にはアップグレード用のライセンス料金が必要となってきた。しかし、Windows 10がリリースされた段階で、Windows 7以降のOSは無料でWindows 10へのアップグレードが可能となった。
また、Windows 10においてもWindowsアップデートは無料で提供されている。そのため、今後Windows 10を使う際には無料アップデートを受けることで一切費用をかけることなく、マイクロソフトからのサポートを受けることができるのだ。ただし、Windows 10にもいくつかエディションがあり、無印からProにアップグレードしたいときなどには費用は発生する。
Windows 10の中にも各アップデートに合わせてバージョンが存在する。また、各バージョン毎にサポート期間が設定されており、サポート期間が終了するとマイクロソフトからのサポートを受けることができなくなる。新しいバージョンへのアップデートは無料なので通常、一般ユーザーの方であれば常に最新バージョンのWindows 10を無料で利用できるためサポート期間を気にする必要はない。
問題になってくるのは、企業で利用されているWindows 10だ。企業ではWindows 10のバージョンアップによって検証ができないソフトがある場合、Windows 10のバージョンアップを行わない場合もある。そうなってくると該当のバージョンのサポート期間が切れてしまうと、サポートを受けることができなくなってくる。そのため、Windows 10では各バージョンのサポート期間内での最新バージョンへのアップデートが推奨されている。
Windows 10では主にバージョンごとのサポート期間をメジャーアップグレード毎に設定している。各メジャーアップグレードは基本的に半年に1回行われる。なお、メジャーアップグレード以外にも細かな修正などのアップデートは随時行われる。
・バージョン一覧
2020年10月現在、一般ユーザー向けに配信されているWindows 10のメジャーアップグレードは9個ある。リリース時のバージョン「10.0」を含めると10個だ。各バージョンには、「1511」、「1607」といった数字によるバージョンだけでなく、「November Update」や「Anniversary Update」など様々な名前がついている。
これまで配信されたバージョンは、Windows 10リリース時の「10.0」から順に「1511」「1607」「1703」「1709」「1803」「1809」「1903」「1909」「2004」となっている。なお、2020年10月現在不具合が見つかり一般向けリリースは中止されていますが次期バージョンである「2009」が待機している。
・各バージョンのサポート期限
前述の通りこれらのメジャーアップグレードにはサポート期間が設定されており、サポート期間が過ぎたWindows 10はサポートされなくなってしまい、セキュリティ上の脆弱性を露呈してしまうことにつながる。可能な限りサポート期間内により新しいサポート期間内のWindows 10にアップデートしておきたい。
基本的にWindows 10の各メジャーアップグレードのサポート期間はリリースから18ヶ月とされている。2020年10月現在、サポート期間内にあるバージョンは「1903(2020年12月8日)」「1909(2021年5月11日)」「2004(2021年12月14日)」の3つだ。直近では「1903」の期限が迫っているので「1903」以下のバージョンを利用している方はなるべく早めにアップデートを検討したい。
Windows 10には最大のアップデートと呼ばれる1周年記念を意味する「バージョン1607 Anniversary Update」がある。このバージョンで追加された機能を紹介しよう。
・「Windows Ink」の追加
「Windows Ink」とは、Windows 7で非常に多くの方に愛されてきた「付箋」機能の強化版だ。「Windows Ink」では付箋だけでなく、ペイントのように自由に文字やイラストをかけるスケッチパッドなども提供されている。
・「仮想デスクトップ」の追加
「仮想デスクトップ」とは、仮想的にデスクトップ画面を何枚も作成して作業スペースを広くできる機能だ。MacOSでは古くからサポートされていた。
・Webブラウザ「エッジ」の改良
Anniversary Updateでは、デフォルトブラウザである「Edge」の改良も行われた。
・手動でアップデートできる
これまで基本的には、Windows 10のアップデートは自動で行われおり拒否することができなかった。この段階でProなど一部のエディションではアップデートを手動で行えるようになった。
「Windows 11」の代わり?「Redstone」とは
Windows 10について調べていると「Redstone」という言葉を耳にした方も多いだろう。「Redsone」は新しいWindowsなのかと勘違いした方もいらっしゃるはずだ。最後にRedstoneとはなにか紹介しよう。
・Windows 10のアップデートプログラムのコードネーム
「Redstone」とは、Windows 10のアップデートプログラムにつけられていたコードネームのことだ。Windowsの新しいバージョンは一般ユーザーにリリースされる前、開発者向けに先行して配布されるこの時に利用されるのがコードネームであり、「Redstone」もコードネームの一つである。
・2018年までRedstoneのアップデートが配信
なお、「Redstone」というコードネームが使われていたのは2018年までの話である。2019年以降は別のコードネームが利用されているため現在配信されているWindowsアップデートは「Redstone」ではない。
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