あなたはしっかりとしたパスワードを使用しているだろうか。パソコンやスマートフォン、クレジットカードなど、今ではありとあらゆるものにパスワードは必須だ。それもこのご時世。単純なパスワードでは、いとも簡単にセキュリティが破かれ、中の情報を持っていかれてしまう。最近では大規模なサイバーテロも起きており、全く気が抜けない状態だと言えるだろう。しかし、だからといって複雑なパスワードを設定すればセキュリティは強化されるものの、毎回複雑なパスワードを入れることに気疲れしてしまう恐れがある。
そんな中、Microsoftがそんなパスワード社会とおさらばする画期的な取り組みを行っている。
パスワードレス認証システムをご存じだろうか?
Microsoftは2020年5月に、同社の従業員の90%がパスワードレス認証システムを使っていることを明らかにしている。パスワードレス認証とは、指紋認証や顔認証を使うことで、パスワードを手で打ち込むことなく簡単にデバイスにアクセスできるシステムである。
MicrosoftのWindows10にも実装されている「Windows Hello」でも、パスワードレス認証システムを利用できる。カメラや指紋リーダーを備えたほとんどのPCがWindows Helloに対応しているため、もしかしたらあなたも使用したことがあるかもしれない。
実際に使用してみると、パスワードを入力する手間がなくなり、簡単にデバイスにアクセスできることに驚く。
あまりに認識速度が速く、今まで手間であったパスワードを打ち込むという作業がなくなったことで、むしろ不安を覚える人もいるかもしれない。しかし、安心してもいいはずだ。パスワードは、ハッカーがパスワードデータベースを手に入れ、何百万ものオンラインアカウントの秘密の鍵を手に入れるなど、個人や組織のセキュリティのリスクが生じる。しかし、一方でパスワードレス認証ならば、そういったリスクを下げることができるだろう。Microsoftによれば、Microsoftのパスワードレスシステムを使用している人は5,000万人に達しているとのことだ。
今後もパスワードレス認証システムが拡大すれば、顔ひとつでいろんなデジタル端末にアクセスできるような風景が日常になるかもしれない。
参照元:2020年は「パスワードをなくす準備は整った」–マイクロソフトが振り返り【ZDNet Japan】
※サムネイル画像(Image:Volodymyr Kyrylyuk / Shutterstock.com)