PCメーカーのLenovo(レノボ)から、Web会議システム「Zoom」専用のテレビ通話ディスプレイが登場した。マイクやカメラが内蔵され、パソコンがなくてもこれ1台でビデオ通話が可能になる。ついにサービス名を冠した機種が登場するほど、Zoomの影響力は日に日に高まっているようだ。テレワークが続く限りその存在感は増していくことに加えて、そのシンプルな操作設計はデジタルデバイスに不慣れな人への需要もありそうだ。
1台あればPCなしでビデオ通話が可能に
1月26日、LenovoからZoom専用デバイス「ThinkSmart View for Zoom」が発売された。価格は税別で34,000円。ThinkSmart ViewはこれまでもMicrosoft Teamsに特化したデバイスなどを販売しているが、今回は商品名の通りZoomの利用に特化したもの。パソコンなどは使わず1台でテレビ通話ができる。8インチのディスプレイにスピーカー、マイク、Webカメラをオールインワンで備えながら、サイズは約263×111×142mmとコンパクト。狭めの作業スペースにも置きやすいモデルだ。
テレビ通話といえば、これまでもFaceTimeやLINE通話などが利用されてきたが、今回のような専用デバイスはあまり聞かない。Zoomがビジネスの場で勝ったのは、少人数での通話が主な用途の前者と比べて大人数ミーティングに特化しているといった点や、お互いの所属を知っていなければならないビジネスシーンだからこそ匿名性が不要だった、などの要因があったからこそだろう。
テレワークが急速に広がっている中、デジタル化やディスプレイ操作に慣れていないにもかかわらず、使うことを迫られる人もいる。「通話の切り方がわからない」という初歩的な操作さえ難しいと感じる人にも、この専用デバイスなら、カメラやマイクをオフする物理的なスイッチも備えているやさしい仕様だ。ディスプレイ操作もシンプルで、アプリと比べればずいぶん簡単に扱える。デジタルデバイスへの理解度がまちまちな社内で、誰もがサービスを利用できるよう環境を整えていくのは会社の責任だ。今回のようなZoom専用デバイスは、そうした企業の働く環境整備の選択肢にもなるかもしれない。
コロナ禍でテレワーク等の導入が急速に進み、対面せずに顔を合わせるための手段として普及したWeb会議はその利便性が世間に広く知られるようになった。現在では「コロナが収まってもテレワーク・Web会議利用を継続したい」と感じているサラリーマンも少なくないはずだ。そんなときに障壁となる「Web会議のやり方がわからない」層に対する切り札としても、こうした簡単操作のデバイスは役に立ちそうだ。
アフターコロナでの働き方は、このデバイスがヒットするかどうかに懸かっているのかもしれない。
参照元:LenovoからZoom専用オールインワンディスプレイ「ThinkSmart View for Zoom」【GIZMODO】
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