Googleが手掛けるモバイル通信サービス「Google Fi」では、VPNサービスを展開している。VPNサービスとは、インターネット上に仮想のプライベートネットワークを設置することで個人の情報を保護できるようになるサービスだ。Google FiのVPNサービスを利用することで、誰にも干渉されずに安全にデータのやり取りができるのだ。公共のネットワークとは異なり、プライベートなネットワーク環境でお互いのデータのやりとりが可能となるため、悪質なハッカーからの攻撃を回避できる。
そんなGoogle FiのVPNのパフォーマンスはさらに向上し、今春にはiPhoneでも利用可能になるとGoogleが伝えている。
ネットワークのセキュリティ強化に期待
そもそもGoogle Fiとは、アメリカ国内居住者に向けて開始されたサービスだ。4G LTEのMVNOサービスで、全世界200以上の国や地域で通信可能なものである。海外で国をまたがる移動の際にも、スマートフォン利用の手続きが不要となるため、出張などで海外に渡航する際には便利なモバイル回線サービスである。海外で使用するネットワークほど、セキュリティ面での心配が募る人も多いだろう。そこでプライベート接続で通信を行えるVPNサービスは、これからの時代重宝されそうだ。
近年「SIMスワップ詐欺」と呼ばれるトラブルが増加している。“SIMハイジャック”ともいわれるこの詐欺は、ユーザーの携帯電話が乗っ取られてしまうタイプのもの。悪意のある攻撃者が、電話番号をはじめとしたユーザーの個人情報を収集したあと、それらの情報をもとにユーザー本人を騙って携帯電話会社に連絡し契約の設定を上書き。電話やメールといったユーザーへの連絡を攻撃者のSIMカード・スマホで受け取ることができるようになってしまうのだ。
どんなに強力なセキュリティ環境でも、公共Wi-Fi等で見知らぬ人と回線を共有していると、目ざといハッカーに標的とされるリスクを負ってしまう。Google FiのあるVPNサービスを利用することで、Googleの持つセキュリティ機能を使ってユーザー側が自衛することにもつながるという。
Google Fiは現在、アメリカ国内での対応のみとなっている。日本国内での対応はいつになるのか、関心を寄せる人も増えてきているようだ。また、Googleは「2021年春よりiPhoneにもVPNをロールアウトする計画だ」とも述べており、海外に比べてiPhoneユーザー数の多い日本国内なら、Google Fiの需要拡大も考えられる。日本に進出となれば、リモートワーク時のセキュリティも万全になるためサラリーマンにとっては魅力的な通信サービスになる。ニューノーマル現代に導入できる日は来るのか、期待が高まっている。
参照元:「Google Fi」のVPNサービス、2021年春より「iPhone」でも【CNET Japan】
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