Web会議等に利用可能なプラットフォーム「Microsoft Teams」等を手掛けるマイクロソフトが、新たなプラットフォームを送り出すことが発表された。今度は、「MR(複合現実)」を取り入れてさらなる変化を果たすようだ。
今回は時代の先端を行くIT企業であるマイクロソフトが、今度はどのようなプラットフォームを提案してくれるのか。その様子をお伝えしてきたい。
マイクロソフト、新たなプラットフォーム・Meshを発表
TeamsはWeb会議システムでよく知られているサービスだが、実は同じマイクロソフトの製品との互換性の高さが売りのプラットフォームなのだ。TeamsにはWeb会議システムをはじめ音声チャットやメンバーとチャットする機能、さらには予定の管理等もできる、サラリーマンにとってはあって損はないサービスだ。
そんなTeamsを扱うマイクロソフトは今回、3月2日にオンラインで開催した「Microsoft Ignite 2021」にてMRアプリ開発プラットフォーム「Microsoft Mesh」を発表したのだ。Meshでは「離れた場所にいる人々が同じ場所にいるかのような体験を共有する」ことを目指しているという。Meshは「Microsoft HoloLens」といったVRヘッドセット等を用いて体験することができ、自分で設定したアバターで仮想空間の中を移動することができるのだ。これにより人々が「離れていても同じ場所にいるかのように体験を共有」できるとしている。
また会見では、世界的に人気のアプリ「ポケモン GO」も登場し、HoloLensをつけたままポケモンと一緒に歩いたりできる様子が公開されていた。
また、Meshに対応する「VR会議アプリ」はTeamsでも採用されると報じられている。もしTeamsでVRの会議が可能になったとしたら、デジタル上でできた社内の会議室で、十人十色の遊び心あふれるアバターが並んでいる光景の中、真面目な議題が議論される日が来るかもしれない。現在のWeb会議では、基本的に顔を出して対応するところが多く、「なぜオンラインなのに顔を見せなければいけないのか」といった不満の声も少なからずあがっていた。
しかしMeshやTeamsでのVR会議が一般的となれば、顔どころか姿かたちまですべてアバターを設定してカスタマイズすることができるだろう。そうなれば「オンラインで顔を合わせることに抵抗がある」人々も気兼ねなく会議に参加できるようになるかもしれない。
一方でTeamsは、「低データモード」の準備を進めている、という報道もある。これはWeb会議サービスの通信量の増大を受けて、通信能力が貧弱な状態のユーザーの環境では「Zoom」のように映像よりも音声を優先させるなど、なんらかの自動調整が行えるようになるようだ。
VR・MRは当然ながら従来のWeb会議以上にデータ通信量は膨大なものとなるだろう。弱回線のユーザーに向けた施策を打ちながら最先端のサービスも生み出さなければならないのは、ちょっとした皮肉のようにも感じられる。しかしマイクロソフトの手腕で、新たな会議の風景を見てみたいという気持ちがあることも事実。これからもマイクロソフトの放つプラットフォームの進化を心待ちにしていきたい。
参照元:Microsoft、MRプラットホーム「Microsoft Mesh」発表 マルチデバイス対応アプリ開発を目指す【ITmedia NEWS】