Web会議ソフト「Zoom」で、通話上に意図的にさまざまなノイズを乗せられる「Zoom Escaper」というソフトがあるらしい。Web会議システムの登場で非対面でも打ち合せやプライベートな雑談ができるようになったことは便利である反面、四六時中付き合わされるようになって辟易している人にはおすすめかもしれない。使いようによっては、やっかいなZoomハラスメントを回避できる可能性もある。
Zoomを打ち切るタイミングになるノイズ集
テレワークや仕事の打ち合わせだけでなく、友人とのプライベートな会話や子どものオンライン授業など、ここ1年でWeb会議システムを利用する機会は格段に増えた。ただ「会う」というシンプルなことがためらわれる難しい時代にこうした代替手段の登場は救いとなる一方で、利用の際のルールが十分に共有されないまま始まってしまったためお互いに手探りで「いつまでも付き合わされる」「終わるタイミングがわからない」など悩みも多い。そんな時のいい“タイミングづくり”になるかもしれないのが、Zoomの通話中に工事音や故障音を再生できるZoom Escaperだ。
使うためには準備が必要だ。まずはZoom Escaperのサイトから「VB-Cable」というツールをインストールする。インストールが完了したら一旦パソコンを再起動し、ブラウザからZoom Escaperにアクセスして鳴らしたい音の追加を行なう。追加したらZoomの通話画面を開いてマイクアイコンの横にある矢印をクリックし、「マイク」のメニューから「CABLE Input(VB-Audio Virtual Cable)」を選ぶ。これでZoom Escaperを使って好きな音を鳴らせるようになる。
鳴らせる音にもさまざまな種類がある。打ち合わせを切り上げるのによさそうな、パソコンの故障を装えるようなエコー音。通話を続けることが難しさを演出できそうな工事や風の音、さらにはプライベートな雑談を打ちきれそうな子どもの泣き声など、シーンに合わせて使い分けができそうだ。
このツールはオンライン会議が普及してから叫ばれているリモートハラスメント(テレワークハラスメント)やZoomハラスメント対策にも役立つかもしれない。Web会議上でプライベートに踏み込むような言動や過剰な干渉をされた場合に、これまではただ耐えていた人も、このノイズツールを使えば聞こえないふりをしたり、機器の不調で回線が切れてしまったふりを装って切り抜けることができる。耐えがたい苦痛から逃げ出す手段になるかもしれないのだ。
しかしユニークなやりかたではあるが、あくまでも利用はここぞという時に限定するのが賢いだろう。何度も使っているうちに万が一バレたとき、相手との信頼関係を大きく崩しかねないというリスクを取るかは自己責任だからだ。その上で気になる人は、まずは冗談の通じる知人を相手に、どれだけだますことができるか試してみるのはいかがだろうか。
参照元:Zoomの通話に工事音や故障音を自在に追加できる「Zoom Escaper」を使ってみた【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Konstantin Savusia / Shutterstock.com)