マンションのネット回線速度が3,000円のスイッチングハブに交換しただけで4倍にアップした!

筆者のマンションでは、先日ネット回線が100Mbpsから1G(1,000M)bpsにする工事が行われたが、実際にスピードを測ってみると下り84Mbps程度しか出ておらずガッカリ……。しかし、良く調べてみると、自室の「スイッチングハブ(以下ハブ)」が1Gbpsに非対応であることが分かった。そこで、自分で1Gbps対応のハブに交換してみたところ、いきなり下り320Mbpsを記録。従来の4倍近くの爆速になったのである。今回は、ハブを自分で交換してネットを速くする方法を写真付きでじっくり解説しよう。

1Gbpsのハズなのに84Mbpsしか出ていない原因は?

スイッチングハブ

アナタのマンションのネット回線はどのくらいの速度が出ているだろうか? 実測で下り30~60Mbps程度出ていればネット閲覧程度なら何も不自由はないだろうが、テレワークで大容量データをアップロードするならネット回線は速いほうが快適だろう。

実は、筆者のマンションでは、先日ネット回線が100Mbpsから1G(1,000M)bpsに変更する工事が行われた。ウキウキしながら工事後にネット回線のスピードを測ってみると下り84Mbps、上り90Mbps程度しか出ていない! これでは以前と変わらないじゃないか……。だが、よく調べてみると、自室の「ハブ」が1Gbpsに対応してないことが分かった。ちなみにハブとは、1本のLANを複数に分配する機器のことで、これがボトルネックになっていたのである。そこで筆者は、さっそくAmazonで1Gbps対応ハブを購入して、自分で交換してみた。果たしてその結果は!?

SPEEDTEST(Image:speedtest.net)

1Gbps対応工事後に「SPEEDTEST」でスマホのネット速度を計測したところ、下り84Mbps、上り90Mbps程度しか出ていない。どうして!?

自室まで光回線が来ているマンションでないとダメ!

まず、今回の話はマンションのネット環境がどうなっているかが重要になってくる。たとえば、筆者が以前住んでいた築20年のマンションでは「VDSL方式」が採用されていた。VDSL方式とは、マンションの入り口までは光回線が来ていても各部屋への配線は電話回線であるため、上限は100Mbpsとなる。つまり、VDSL方式のマンションは今回の対処方法でネットが速くなることはない。

現在筆者が住んでいるマンションは築9年で、マンションの自室に直接光回線のLAN端子が装備されている。元々100Mbps対応の光回線だったので、自室内のハブは最大100Mbpsまでしか対応しない製品が使われていたのだ。おそらく、もっと新しいマンションなら、最初から1Gbps対応のハブが使われていると思うので、筆者のマンションはレアケースなのかもしれない。

というわけで、今回の対処方法は光回線のケーブルが自室まで配線されていることが前提条件となるので、まずは自宅のネット環境を調べてほしい。

代表的なVDSL方式

マンションのネット環境は様々だが、代表的なVDSL方式では入口まで光回線が来ていても、マンション内は電話回線で配線されており、自室にはモジュラージャックしかない。そのため、VDSL方式では最大100Mbpsまでとなる

光配線方式

光配線方式はマンション内に光回線が配線されており、自室にLAN端子が設置されている。そのため、直接パソコンにLANケーブルで接続できる。ただし、光回線が1Gbpsでもハブが100Mbpsまでしか対応しないと100Mbps以上は望めない

自室にLAN端子があるはず。これならハブを交換することで爆速になる可能性

光配線方式のマンションなら、自室にLAN端子があるはず。これならハブを交換することで爆速になる可能性がある!

100Mbpsまでしか対応しないハブ

筆者のマンションでは玄関の配電盤(ブレーカー)の横にハブがあった。ハブを調べてみると100Mbpsまでしか対応しないことが確認できた。今回はこのハブを1G(1,000M)bps対応のものに交換する

たった2,355円のハブ交換でネットが4倍爆速に!

筆者のマンションでは玄関の配電盤の横にハブがあり、古いハブは最大100Mbpsの「100BASE-TX」であることが確認できた。ここがネット回線のボトルネックになっていたのである。そこで、さっそく「1000BASE-TX」対応のエレコム「スイッチングハブ ギガビット対応 8ポート AC電源(EHC-G08PA2-W)」をAmazonで注文。価格はたった2,355円だった。

ハブの交換は非常に簡単だ。古いハブのLAN端子をすべて外して新しいハブと交換。LAN端子を適当に新しいハブにさし直せばいい。実は、ハブはマグネットで壁に張りつけるようになっていたが、筆者が購入したものはマグネット非対応だったので置き場所に困ってしまった。あとで確認してみたらAmazonでもマグネット付き(EHC-G08PN2-JW)が3,291円で売られていたのでがっくり……。でも大丈夫。古いハブに付いていたマグネットを流用して、なんとか壁に貼り付けることができた。

ちなみに、マンションのネット環境によっては今回購入したハブが使えるとは限らない。自分で交換する場合は、必ずネットワーク会社に対応機種を確認しておこう。

●Amazon(スイッチングハブ)は→こちら

スイッチングハブ1(Image:amazon.co.jp)

こちらが今回購入したエレコムのハブ。8ポートの1000BASE-T(1Gbps)対応機種だ。価格は定価で3,608(税込)だが、Amazonでは2,355円で販売されていた

スイッチングハブ2

古いハブのLAN端子を全部外して、新しいハブに交換。空いているポートに適当にLAN端子をさしたら電源を入れればいい。作業は5分もあれば完了する

スイッチングハブ3

実はハブ本体はマグネットで壁に張り付ける方式だった。あとで調べるとAmazonでもマグネット付きハブ(EHC-G08PN2-JW)が3,291円で売られていた……。でも大丈夫。古いハブのマグネットを流用して事なきを得た

スイッチングハブ4(Image:speedtest.net)

ハブを交換して計測してみると下り320Mbps、上り260Mbps程度と4倍近くも爆速になった。たった2,355円の投資でこれはうれしい!

さて、気になるネットの速度だが、新しいハブに交換したことで下り320Mbps、上り260Mbps程度と従来の4倍近くも爆速になった。たった2,355円の投資でこれはうれしい限り。仕事のデータをサーバにアップするのも一瞬だ。実はネット会社にハブ交換を依頼すると出張費用+ハブ代金で1万5,400円も取られるそうだ。今回は自分で交換したので、1万3,000円以上も得した計算になる。

もし、アナタのマンションが1Gbps対応の光回線なのに100Mbps以下しか出ていないのなら、面倒でもハブを交換してみてはいかがだろうか?

●SPPEDTEST(公式)は→こちら

※サムネイル画像(Image:speedtest.net)

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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