Web会議システムのZoomが新機能「イマーシブビュー(没入型ビュー)」をリリースした。最大25人の参加者が一堂に会しているビジュアルで、まるで同じ会議室の机に座っているかのような仮想空間を共有できる。会話内容が同じでも、それぞれの画面が映るのとはまた違うインターフェースは新たなスタンダードになるだろうか?
Zoomの新機能・イマーシブビューが好感触
4月26日にWeb会議システムのZoomがイマーシブビューという新機能をリリースした。日本では「没入型ビュー」という機能名で実装されている。これまでのZoomは画面が参加者ごとに区切られ、その枠内にカメラの映像が映されるだけのスタイルだったが、イマーシブビューは大きく異なっている。ホストが設定したひとつのバーチャル背景を共有し、あたかも同じ会議室にいるかのように参加者がレイアウトされるのだ。
日本ではゴールデンウィーク直前と言えるタイミングでの導入だったので利用が進むのはこれからだが、さっそく使ってみた人からは「思ったよりいい」「凄まじいスピードで便利になっていくなあ」と比較的好印象を持たれている様子がネット上で伺えた。もちろん「テレビ番組みたい」「なんともシュール」と違和感を覚える人もいないわけではないのだが、今後そうしたバーチャル背景の利用が進み慣れていくことでその違和感も解消されていくことだろう。
行われる会話は同じであるにもかかわらず“見た目”を改善した目的は、オンラインミーティングにありがちな疲労を軽減することにあるという。Zoomのイマーシブビューは、2020年夏からマイクロソフトの提供するWeb会議システム「Teams」で実装されている「Togetherモード」に似ているが、マイクロソフトが行なった調査では、枠で区切られた画面を見るより統合された画面を見るほうが人にとって快適であるという科学的な結果が得られている。
対面の機会が減少してただでさえ画面に張り付く機会が増えたコロナ禍で、少しでも疲れが軽減されるのなら、自分のためにも相手のためにも積極的に利用していきたいものだ。イマーシブビューはWindows/Mac向けのデスクトップクライアント「Zoom 5.6.3」以降でサポートされているが、設定はホスト側でしかできない。上限人数は25人で、途中入室の場合はイマーシブビューの再設定が必要。また、ミーティングのYouTube配信やブレイクアウトルームには対応していない。
現状は制約もあるイマーシブビューだが、参加者の快適性が上がるのならこのようなインターフェースが今後のオンライン会議ソフトの主流になっていくのかもしれない。
参照元:「Zoom」の新機能「イマーシブビュー」で最大25人と仮想空間を共有可能に【窓の杜】
※サムネイル画像(Image:Yalcin Sonat / Shutterstock.com)