みなさんは、パソコンに搭載された「ショートカットコマンド」をいくつご存知だろうか。キーボードで操作可能な「コピー&ペースト」や「切り取り」、「保存」などをはじめ、多くのサラリーマンが当たり前にショートカットコマンドを使用し日々の作業の効率化を図っていることだろう。回は、数あるショートカットコマンドから、ある一つのコマンドが消滅するかもしれないことと、その背景に隠された開発陣の苦悩について考えていきたい。
コピペくらいしか使ったことがない…。そんな人も多いのでは?
いまや、私たちの生活になくてはならないモノとなっているパソコン。中でも多くの人が、仕事やプライベートで「Windows」を使っているのではないだろうか。Windowsの中には、ショートカットキーや短縮アクションなどが数多く搭載されていることは広く知られている。これらを使いこなすことで仕事の効率化につなげているユーザーも多い。たとえば「Ctrl+C」(コピー)や「Ctrl+V」(ペースト)などは、その代表例ではないだろうか。わざわざ右クリックからこれらのアクションを行なっているサラリーマンの方がもはや少ないくらいである。
一方で、まだまだWindowsには知る人ぞ知る「マイナーなショートカット」も多くある。みなさんも、隣のデスクの同僚が見たことないショートカットコマンドを使っていて驚いたという経験はないだろうか。
そんな“どマイナー”な技の一つが、「Aero Shake」という機能だ。Windows 7以降に搭載されているこの機能は、開いているウィンドウの上部をドラッグした状態で左右に振ると、選択しているウインドウ以外をすべて最小化するというアクションを起こせる、というものだ。
そもそも全く利用シーンが想像できないこのコマンドだが、どうやら先は長くないかもしれない。4月22日に発表された「Windows 10」のリリースノート改訂によって、Aero ShakeのON/OFFがオプションにて搭載されたことが判明した。しかもこのアップデートによって初期設定はOFFにされてしまっている模様。ユーザーはこの良くわからない機能を使うためには、わざわざオプションを開いてONに入れなければいけないようだ。このことから、専門サイトでは「この機能を引退させたいようだ」という推測も飛び出している。
正直良くわからないショートカットを搭載するくらいなら、その容量を処理スピードなどの基本スペックに振ってほしいものだ。もしくはもっと痒いところに手が届くような、ユーザー目線のコマンドを考案してほしい。
しかし、よくよく考えてみれば開発段階では、何が「使い勝手がいいサービス」かなんてわからないだろう。Aero Shakeにおいても、真剣に開発者が考えて全ユーザーがきっと求めていると信じて搭載したはずだ。開発の苦悩と難しさを今回の発表から感じた。
私たちの目の前にあるパソコンやスマホも、開発側としてもこうして機能の取捨選択をしていくことで、便利なデバイスとなっていったのだろう。普段何気なく使っているショートカットコマンドは、数多のトライ&エラーの末に生き残った選りすぐりの精鋭たちなのだ。
参照元:ウィンドウを振って他を全部最小化するヤツ、お役御免か? Windows 10プレビュー版に無効化設定が追加【窓の杜】
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