コロナ禍でライフスタイルや働き方が多様化している今、働きたい会社にも柔軟性が求められているようだ。世界最大のビジネス特化型ソーシャルネットワーキングサービスの「LinkedIn」(以下リンクトイン)が「TOP COMPANIES(トップカンパニー)2021年版」を発表。世界を舞台に飛躍を遂げている日本企業が多数ランクインする中、3位のNTT、2位の楽天を抑え、1位に輝いたのは“徹底した顧客志向”を掲げるあの企業だった。
多様性に優れたアマゾンが1位に
アメリカで2015年からスタートした同調査。日本での調査は今回が2回目となる。日本を含む20の国と地域で実施され、「昇進の可能性」「スキルの獲得」「仕事の安定度」「社外からの魅力」「社内のつながり」「社員の多様性」の項目を基準に調査が行われた。今回のランキングで目を引くのは、前回に比べて日本企業が多く名を連ねていること。日立製作所、NEC、富士通、パナソニックなど、日本が誇る世界トップクラスの技術を持った製造業系の企業に加え、4位のIBMのほか、Googleで知られるアルファベットやオラクルなどIT系の企業もランクインしている。
そんな中1位に輝いたのは「アマゾン・ドット・コム」。前回に引き続き、1位を獲得したアマゾンは、アマゾンサイトをはじめ、電子商取引、クラウドコンピューティング、デジタルストリーミングなど、幅広いIT分野で活躍する多国籍テクノロジー企業。2018年夏には目黒区の東京本社オフィスを拡張し、600種以上の植物がある開放感あふれるオフィスが「森林のような新オフィス」として話題に。その他、ジェンダーフリーのトイレを設置したり、礼拝室を設けたりと、社員の多様性を尊重した企業理念もアマゾンが1位に選ばれた理由の一つだろう。
アマゾンといえば、徹底した「顧客志向」でも知られている。2021年7~9月期でのCEOの退任を発表しているアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は、顧客志向の方針を示す数々の名言を残している。「我々の本来のゴールは“世界一の顧客志向の会社”になることだ」「他社のことを恐れるな。商品を買ってくれるのは競合他社ではない」「赤字になってもいい。顧客との信頼関係は育つ」など、ベゾスが発した印象的な言葉の数々が、働く社員のモチベーションにつながったことだろう。ゴールを示してくれる絶対的リーダーの存在が、アマゾンを「今働きたい会社」1位に成長させたのかもしれない。
コロナ禍でおうち時間を充実させるために、需要が伸びているといわれる通信販売。“今”働きたい会社ということで、アマゾンの業績の成長や事業拡大に魅力を感じている人も少なくないだろう。今後ますます働き方が多様化する時代に、社員の働きやすさを配慮したアマゾンの新たな取り組みにも注目が集まる
出典元:【リンクトイン独自調査】データが語る「今、働きたい会社」トップ25【Linkedin】