「寝ている間に仕事が片付く」そんな夢のようなサービスが誕生した。株式会社Timewitchが4月29日にリリースした、深夜特化型アウトソーシングサービス「Timewitch」である。TimewitchはPowerPointのスライド作成をアウトソーシングできるサービスであり、夜22時までに資料を提出すれば翌朝8時にはスライドが完成しているというスピード感が特徴だ。
一体どんな仕組みで、このスピード感を実現するのだろうか。アウトソーシングによる情報漏洩の心配はないのだろうか。解説していく。
“時差”を利用してビジネスを加速。稼働不可能だった深夜帯を活用した画期的サービス
日本人の「働きすぎ」を軽減する効果もありそうだ
夜に依頼して朝に資料が出来上がっているとなると、私たちが寝静まる夜間にせっせと作業をしてくれる人がいるということだ。深夜労働をさせるなんてとんだ時代錯誤……と思いきや、作業をするのは日本とは異なるタイムゾーンで過ごす日本人。つまりブラジルやアルゼンチンなど、日本が夜の時間帯に昼となる国に暮らす日本人が、日中にスライドを作成してくれるという“時差”を活用した仕組みになっている。
また、依頼の際の手軽さも特徴だ。通常、スライド作成を外注するとなると、キャパシティの事前確保や入稿指示書が必要となる場合が多い。Timewitchの場合は、ノートやホワイトボードに手書きで書いたスライドイメージや、紙媒体のグラフなどの写真を撮って送るだけ。部下に頼む感覚でパパっと外注できる手軽さも魅力である。
◆事例1: ノートに描いた手書きスライドイメージの忠実再現
Before
手書きで資料イメージを書いたノート
After
実際にTimewitchで作成されるスライドのイメージ。（出典元：Timewitch）
忙しいビジネスパーソンにとって非常に画期的なTimewitch。しかし、アウトソーシングには情報漏えいのリスクがあることを忘れてはならない。先日、LINEの個人情報が中国のシステム開発委託企業で閲覧可能状態になっていたとして問題になったが、受注者の故意でなくても、知らぬ間に情報が漏れてしまうというケースも多々ある。ましてやスライドには、根拠となる数値や重要なデータなど、社外秘の情報が含まれていることがほとんどだろう。
Timewitchでは、情報漏えいを防ぐための対策は行っているのだろうか。公式ホームページ内のQ&Aには、以下のように記載されている。
―――
Q 入稿内容の機密事項保持 (コンフィデンシャリティ) はどのように遵守しているのですか？
A NDAの締結及び、ご要望に応じて個別の基本契約の締結をさせて頂くことが可能です。 またクライアント様専属チームの構築やテキスト情報を伏せる形での入稿など、コンフィデンシャリティを担保する利用方法もございますので、運用時に改めてご案内させて頂きます。 基本的な内容は個人情報保護方針をご参照下さい
―――
「詳しいことは契約時に」といったところだろうか。文面を見る限りだと、セキュリティのレベルによって料金が変動することもありそうだ。ホームページに料金について明記されていないのは少々不安要素だが、無料体験「Timewitch Free Plan」もあるため（2021年5月11現在）、気になる人は一度試してみるのもいいかもしれない。
参照元：寝ている間にスライド作成が完了している”Timewitch”が本番リリース【Timewitch】