「もし転職するなら、どの企業に転職したい?」というテーマでビジネスパーソン約5,000人に調査が実施された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で働き方や生活スタイルが大きく変わり、仕事選びの基準も若い世代ほど変化したようだ。支持を集めたのは、どんな企業だろうか。今回は、発表されたランキングから人気企業について考えていきたい。
こんなご時世だからこそ、安心・安定・将来性がキーポイントに
人材サービスを展開しているパーソルキャリアが運営の転職サービス「doda(デューダ)」は、22~59歳のビジネスパーソンを対象に「転職したい会社」を調査した。そのランキングで首位を獲得したのは、前年に引き続き「トヨタ自動車」。世界的な自動車の販売不振が続くなか、同社は先ごろ2020年のグループ販売台数世界一を達成し、いち早く復活の兆しを見せた。獲得ポイントも前年の4,605ポイントから5,327ポイントに大幅アップし、2位以下を大きく引き離している。
同社を支持した人の声には、雇用が不安定になった影響からか「安定している」「コロナ禍でも業績がいい」「将来性がある」「日本を代表する大企業だから」といった安心や安定、将来性を求める意見が多く集まった。
また、ランキング上位には、グローバル企業や各業界を代表する日本の大手企業が複数ランクインしており、3位の「ソニー」は順位こそ前年と同じだったが、ポイントは1,954から2,460へと大きく増やした。
新型コロナウイルス感染症によって人々の消費行動が変わり、企業業績の明暗が分かれた。このことは、今回のランキング結果にも反映され、巣ごもり需要からゲーム「あつまれ どうぶつの森」などの売り上げが好調な「任天堂」は、前年15位から順位を上げて7位にランクイン。トップ10入りを果たした。職種別ランキングでも同社は10職種のうち7職種でトップ20にランクインしており、職種を問わずさまざまな層から支持を集めた。
さらに空調機器メーカーの「ダイキン工業」が前年191位から93位に大きく順位をアップさせたほか、動画配信プラットフォーム運営の「YouTube」(166位)、キャンプ用品メーカーの「スノーピーク」(172位)など、消費スタイルの変化によって人気を得た商品やサービスを提供する企業が300位内に顔を見せた。
さらに新型コロナウイルスの感染防止対策のため、都心部を中心にテレワークが導入され、働き方改革が一気に進んだが、同時に、働くことの意味や価値観をあらためて考えるきっかけにつながった。今回の調査で「新型コロナウイルスの感染拡大を機に、転職したい(働いてみたい)企業を選ぶ理由は変化したか?」と聞いたところ、「大きく変わった」または「どちらかといえば変わった」を選択した人が全体で約31%いた。年代別(20代・30代・40代以上)では、「変わった」と答えたのは20代が最も多く約38%。男女別では女性のほうが多かった。子育てなどを踏まえるとテレワークといった多様な勤務体制が導入されている企業で働きたいと女性のほうがより強く思うのではないだろうか。
出典元:社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は?転職⼈気企業ランキング2021<総合>【転職・求人doda】