グーグルが提供するオンラインストレージサービス「Googleドライブ」が9月以降に大幅なアップデートを行うことが分かった。主な変更点は、共有ファイルのセキュリティ強化だが、それによって古いリンクが作動せず、開けなくなるといった困った事態に陥る可能性があるという。今回は、Googleドライブユーザーなら知っておきたい共有ファイルの変更点について伝える。
注意すべきは2017年以前に生成された共有ファイル
言わずもがな、Googleドライブの最も便利な点の一つは、URLだけで常に最新のファイルを共有できること。オンライン上で最新データが自動更新される共有ファイルは、新しいデータをダウンロードしたり、修正する度にファイルを送ったりする手間が省けるため、ローカルファイルより便利と感じている人も少なくない。しかし、今回のアップデートでは、その共有ファイルのセキュリティがパワーアップし、特定のURLへ簡単にアクセスできなくなるという。
ファイルの共有方法は「相手のGoogle アカウントを指定する」「共有URLリンクを生成する」という2つ。リンク生成の場合、現在のセキュリティでは「制限付き」と「このリンクを知っている全員」のどちらかを選び、URLを共有することができる。後者の設定でURLを受け取った人はだれでもファイルを開けるのだ。
便利な反面、以前からURLの文字列推測によるセキュリティの危険性が指摘されていた。文字列の推測による情報漏洩を防止するため、2017年以降のリンクには特別なリソースキーが追加されるように。さらに今回のアップデートでは、2017年以前に生成されたファイルやフォルダのリンクにもリソースキーが追加され、リソースキーを含まない共有ファイルへのアクセスができなくなる可能性があるのだ。
無効となる対象URLかどうかを確認するには、8月25日まで表示されるセキュリティアップデートのメッセージバナーから「ファイルを表示」ボタンをクリックすると、2017年以前に生成したファイルの一覧が確認できる。以降は、ドライブ内の検索窓に「is:security_update_applied」または「is:security_update_removed」と入力し、対象ファイルを確認することが必要だ。
また、今回のアップデートでは、Windows版とmacOS版のデスクトップ用ソフトウェアも発表され、注目を集めている。これは、古いソフトである「バックアップと同期」を置き換えるもの。新しいデスクトップ版のGoogleドライブでは、エクスプローラーやファインダーにファイルを表示したり、デスクトップにファイルを保存したりできるため、ローカルファイル同様の作業が可能に。オンライン上でしか作用ができないことを不便に感じていた人は、各段に作業効率が上がるのではないだろうか。
Googleドライブは、市場調査・コンサルティング・マーケティングを専門とするICT総研が2020年6月に発表したオンラインストレージに関する利用調査でも利用率トップに選ばれている。利用者が多いGoogleドライブだからこそ、その仕様が大きく変わるアップデートには要注意だ。
参照元:Google ドライブの覚えておくべき大きな変更点【GIZMODO】
※サムネイル画像(Image:charnsitr / Shutterstock.com)