「製品を消費者に買ってもらったらそれでおしまい」そんな商売のスタイルがまかり通っていたのはいいところ昭和までだ。令和となった現代では、悪評は即座にネット上で広まってしまうもの。製品を買ったあとの顧客サポートまでを含めて、ブランド力の範疇に入っているのだ。そのために各社とも充実させているのが、「コールセンター」や「サポートサイト」といったアフターサポートだ。
今回は、9月に発表された「サポートサイトランキング」の最新版についてお伝えしていきたい。
サポートサイト価値ランキング発表!
トライベック株式会社の調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は9月7日、自身の実施した「顧客サポート調査2021」の結果をもとに算出された数値から「サポートサイト価値」ランキングを発表した。このサポートサイト価値は、サイト利用頻度や問題解決率などから推計された「サイト上での問題解決回数」と「コールセンター単価」を掛け算し、仮にサイトがなかったら発生したであろうコストを算出したものとなっている。
第5位となったのは家電製品分野の「パナソニック」だ。サポートサイト価値は150億6,800万円とはじき出された。4位にはQRコード決済サービスとして数年で圧倒的なシェアを獲得している「PayPay」だ。その価値は156億2,800万円とされ、急増したユーザーの小さな困りごとを解決しているのだろうか。
トップ3となる3位には「楽天銀行」(167億1,200万円)がランクイン。1月にはインターネット銀行として初めて1,000万口座を突破したことも伝えられており、そのユーザー数の増加に合わせてサポートサイトが活躍したのかもしれない。そして惜しくも1位を逃した2位は「ドコモ」となった。サポートサイト価値は205億8,700万円と一気に200億円台へと突入。3月にサービスが開始された新プラン「ahamo」の人気なども、前年の3位からランクアップした理由のひとつと考えられる。
カード、銀行、モバイル決済サービスなど金融系サイトおよび携帯電話会社のサイトが並びました」と分析し、元々サポートサイトの利用率・利用回数の高い業種がコロナ禍によりさらにその需要が高まっていると考察している。
そしてこのランキングで目立つのは、楽天経済圏の企業たちではないだろうか。1位に輝いた楽天カード、3位の楽天銀行以外にも、楽天グループが強い期待を寄せている「楽天モバイル」が7位に入り、トップ10に3つも“楽天”が並ぶ事態となっている。さらに14位にも「楽天ペイ」が顔を出しており、グループ全体が顧客の増加と効率的なアフターサポートの実現を両立できているようにも感じる。世界的なIT企業の実力といったところか。
サポートサイト価値が高いということは、それだけアフターサポートの省人化が進んでいるということ。その先進性を武器に、今後も楽天経済圏のさらなる成長に期待したい。
出典元:サポートサイトランキング2021【トライベック・ブランド戦略研究所”】【japanbrand.jp】