副業といえば、以前はちょっとしたお小遣い稼ぎという印象があり、それほどメジャーなものではなかった。しかしコロナ禍による不況でボーナスカットなどで収入が減ったことや、テレワークの浸透で時間に余裕ができた人が増えたこと、さらには国も副業・兼業を推奨するなど、現在空前の副業ブームが起きている。ただし正社員の副業となるといろいろとリスクがあるわけだが……。
最大6割が「会社では副業NG」と知っていながら副業を行っていることが判明!
■副業が認められている会社は実際どれぐらい?
■会社に副業をしていることは伝えている?
フリーランス情報メディアを運営する「つなぐマーケティング」が、企業で正社員として働きながら副業を行っている人392名に対して行った「副業に関するアンケート調査」。その調査結果によると、「副業をしていることを会社に伝えているか」という質問に、なんと84.2%もの人が「伝えていない」と回答している。また、現在就業している会社で「副業が認められているか」という質問については「認められている」と回答した人が41.6%。この層の人たちは正々堂々と副業を行っていい、というわけである。
しかし、「認められていない」が30.1%、つまり約3割の人はダメだとわかっていながら副業をしており、さらに「認められているか分からない」という人も28.3%と約3割いることから、極端なことをいえば最大で約6割の人が「就業している会社で認められていない中で副業をしている」ということになるのである……!
副業が本業に影響を及ぼすことは少ないと答えた人が多数派。それには副業のアレが関係していた
■本業のスキルの変化について
■副業による本業へのデメリットは?
「会社への帰属意識は変化したか」という質問には「変わらない」と答えた人が76.3%。すき間時間やプライベートの時間を削って行ったところで、副業で100万、200万と大金を稼げるわけもなく、副業はあくまで“本業あっての副業”、といったところか。
しかし、少数派ながら「低くなった」と答えた人も17.1%と2割弱いた。その人たちの平均副業月収は約4万円。逆に、帰属意識が「高くなった」という人は6.6%とさらにごく少数派だったが、こちらの平均副業月収は約2万4,000円と、副業でより多く稼いでいる人のほうが帰属意識が低くなりがちであることがわかった。副業で稼ぐ額が多くなればなるほど、「会社で頑張らなくても自分で稼げる」と会社への帰属意識が薄れがちなのかもしれない。
とはいえ、自分の会社で副業をしていいかどうかわからない人たちが「うちの会社って副業していいんでしたっけ」なんて会社側に聞けるわけがない。それを聞く=給料に不満がある、副業をするつもりがあると言っているようなものだからだ。つまり、わからない人はあえてグレーにしたまま副業を続け、NGとわかっている人もコッソリ副業を続けていくだろう。副業従事者は、睡眠時間やプライベートな時間を削っている、という人も多い。調査したつなぐマーケティングは「この状況が続くと隠れ過重労働にもつながりそう」とコメントしている。
根本にあるのは、やはり不況による収入減だ。企業側も苦しいときだが、社員の帰属意識とモチベーション維持のためにも払うべきものは払う、をお願いしたいものだ。
出典元:フリーランスガイドは→こちら