現代人であれば最低でもひとつは持っているであろうメールアドレス。デジタル技術の進化によって多くのコミュニケーションツールが登場している今でも、ビジネスシーンにプライベートにとメールを用いる場面は枚挙にいとまがない。
そんなメールで困ることといえばやはり「迷惑メール」だ。近年はメールソフトによる迷惑メールの自動ブロック機能も充実してきているが、主要なメールソフトのひとつ「Gmail」で、ブロック機能に“とある制限”があることが判明したという。果たしてどんな制限なのだろうか…。
ある日突然、迷惑メールのブロックが効かなくなったら?
IT系ニュースサイト・Ars Technicaの報道によれば、Gmailにはブロック機能に追加できるメールアドレスに制限があるのだという。この事実を発見したのはArs TechnicaのDan Goodin氏で、Goodin氏は長年Gmailでフィッシング詐欺などの迷惑メールや企業からの広告メールをブロック機能で「迷惑メール」フォルダに格納するようにしていたという。しかしある日ブロック機能が効かなくなり、「ブロックしたと表示されるのに、実際にはブロックされていない」状態に陥ってしまったのだ。
その理由をGmailの開発元であるグーグルに問い合わせたところ、「Gmailはブロックできるメールアドレスを1,000個に制限しています」と回答があり、ブロック機能の制限の存在が判明したのだった。
読者のみなさんも経験したことがあると思うが、勝手に送られてくる迷惑メールは名前の通り迷惑なことこの上ない。Goodin氏がブロックしていた企業の広告メールであれば最悪配信停止にすれば止まるが、詐欺メールの配信停止機能などあるわけがない。万一そんなフォームがあったとしたらそれこそフィッシング詐欺の入り口だ。そのためブロック機能に頼らざるを得ないわけだが、それが「メールアドレスの登録制限に引っかかってしまったためブロックできません」などと言われるとは夢にも思っていなかっただろう。
おそらくGmailのプログラマも「形式的に登録件数の上限を設ける必要があるが、1,000件も登録できれば十分だろう」といった安易な発想で設定したのかもしれない。一般的に考えて、1,000件も登録するほど多くの送り先からの迷惑メールに悩まされるユーザーが現れるとは想像しづらいことは確かだ。事実、2004年にサービスを開始したGmailで17年目に初めてそんな仕様が明らかになっている時点で、Goodin氏がレアキャラ中のレアキャラなのだが、本人にとってはたまったものではない話なだけに、一日も早く登録枠の拡張が行われることを祈りたい。
なおGoodin氏が問い合わせた担当者曰く、制限を引き上げることを検討しているが実際に制限緩和が行われるまではしばらく時間が掛かるようだ。Gmailから「ブロック機能の登録件数を1,000件から〇〇件に拡張しました」という発表がいつ出るのかにも注目していきたい。
参照元:Gmailの「迷惑メールブロック機能」には制限があると判明、Googleは制限緩和を検討中【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)