23年卒の「就職人気企業ランキング」に異変?! 人気の旅行業界に代わって順位を伸ばしたのは?

この季節、街を歩けば就活スーツに身を包んだ就活生たちとすれ違うことも多いだろう。今の新卒たちはどんな企業へアプローチしているのだろうか。未曽有のコロナ禍を受けて、世の中の動きもかなり変わったが、それにともなって人気の就職企業も変化を見せているようだ。コロナ前とコロナ禍でどんな企業がランクアップし、逆にランキングから姿を消したのだろうか……。

コロナ前は学生から見ても「楽しそう」な職業が3社も

(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)

コロナで海外旅行客の激減や外出自粛のため苦境にあった旅行会社も、国内や近場のツアーなど施策を打っているが……

株式会社学情は、2023年卒業・修了予定者8,249人を対象に行ったアンケートをもとに「就職人気企業ランキング」を発表。コロナ前(2021年卒対象・2019年調査)とコロナ禍(2023年卒対象・2021年調査)の結果を比較したデータを公開した。

コロナ前の2019年に行われた調査では、5位が「エイチ・アイ・エス」、4位は「丸紅」、3位「味の素」、2位「JTBグループ」、1位は「伊藤忠商事」という結果だった。また、10位には「オリエンタルランド」がランクインしており、トップ10の中に3社も旅行・レジャー業界が存在するかたちだ。やはり、学生から見ても学生目線で「楽しそう」「好きなこと」と思われる分野であることが影響しているといわれ、楽しんで仕事ができるイメージも強いために、長らく“憧れの職業”代表となっていた。丸紅、伊藤忠のランクインからも総合商社の人気も見て取れる。給与の高さや福利厚生の充実が理由のひとつだろう。

コロナ前のランキングはなんとなく想像が付くものだったが、コロナ禍になってどんな変化が現れたのか見てみよう。

23年卒に人気の企業一覧。漫画、電子コミック、アニメブームの影響か、講談社「転生したらスライムだった件」集英社「鬼滅の刃」が上位にランクイン(学情調べ)

21年卒に人気だった企業一覧(学情調べ)

一方でコロナ禍の2021年では、5位は「任天堂」、4位「アサヒ飲料」、3位「集英社」、2位「講談社」、1位は「伊藤忠商事」という結果になり、一目見てすぐに違いがわかるほどランキングが変動している。コロナ禍で外出自粛となったことから、かなりの影響を受けていた旅行・レジャー業界はトップ10からさえも姿を消してしまった。逆にゲーム、アニメ、漫画の分野で代表格となっている各社がトップ5に登場。

任天堂といえば、ちょうどコロナの感染拡大の直前に発売され話題となった「あつまれ どうぶつの森」などが楽しめるNintendo Switchが人気。オンライン授業などに切り替わり、家にいる時間が長くなった大学生たちもまた、楽しんでいたに違いない。

集英社は2020年にアニメ映画版が公開され、全世界で興行収入517億円を突破した「鬼滅の刃」の出版元だ。2位の講談社は、実写映画も話題となり、登場人物であるマイキーこと佐野万次郎のセリフ「ひよってるやついる?」が流行した「東京卍リベンジャーズ」の出版元である。

ちなみに9位には「イオングループ」がランクイン。コロナ禍でも売り上げを落とさず、需要が高まっていたスーパーマーケットの業界も就活生から注目されていたようだ。1位は変わらず伊藤忠となっているが、2位以下とのポイントの差を見るとコロナ禍の影響が感じられる結果となった。

今回ランク外となった旅行・レジャー業界も、この後withコロナの時代へと移り変わり徐々に状況が回復し、また就活生たちからの支持を集めるようになることを祈っている。

出典元:『2023年卒 就職人気企業ランキング【速報】』【学情

オトナライフ編集部
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