Microsoftが法人向けに提供しているサブスクリプション「OfficeSuite」が値上がりすることが分かり、話題を呼んでいる。メールやWord、Excel、PowerPointなど、ビジネスツールとして欠かせないMicrosoftのアプリケーションだが、その月額版が20%値上がりするという。今回は、社会人にとって他人事ではないOfficeSuiteの値上がりについて詳しく見ていこう。
Officeの新プログラム、月間契約だと20%割増に
CNBCの報道によれば、Microsoftは2022年に新プログラム「New Commerce Experience for Office」を開始する予定で、同プログラムの中で「月額制のOfficeSuiteの顧客は価格が20%上がる」ということが、既にパートナー企業に伝達されているという。年間契約のユーザーよりも割増された料金となってしまうようだ。具体的な時期や価格は発表されていないが、Microsoftは月間契約の法人顧客を年間契約に誘導させ、安定した収益を得ることが狙いのようだ。
また、年間契約の途中で月間サブスクリプションに切り替えることはできず、年間料金を全額支払う必要があるといい、不自由な契約を認めないユーザーからの反発は確実。インターネット活用支援やコンサルティング事業を展開する「Intivix」の共同創設者・Rob Schenk氏によると、既にクライアントからは「気に入らない」などの声が寄せられているといい、さらに署名を募るオンラインサイト「Change.org」でも、値上げに反対する1,400人以上もの署名が集まっており、その注目度の高さが伺える。
Microsoftといえば、10月26日に発表された2022年第1四半期の決算報告では、売上高は前年同期比22%増の453億ドル、純利益は48%増の205億ドルとかなり好調の様子。純利益は過去最高となり、初めて200億ドルを突破したという。前四半期同様、テレワークの浸透によりMicrosoftのサブスクリプションを新規で契約する法人も増えているようだ。そんな上り調子の状況でこれほど強引な舵取りをする必要があるのだろうか…?
マイクロソフトでは、2022年3月には「Microsoft 365」月間契約の値上げも予定している。「Microsoft 365 Business Basic」は5ドルから6ドル、その他のプランも2ドル~3ドル値上がりすることが分かっている。こちらも割高な月間契約から年間契約に促すのが目的なのだろうか。
ユーザーの年間契約への移行を狙うMicrosoftだが、ネットでは「相変わらず値上げが特技」「もしかするとExcel離れが始まるかもしれない」「買いきりじゃないソフトは使いたくないな、毎日確実に使うっていうのならともかく」など、一方的な条件の契約に不満を抱くユーザーの声が多数寄せられている。
ExcelやPowerPointといったソフトはビジネスシーンに広く浸透しているソフトだからこそ、代替サービスを展開する企業も少なくない。この年間契約への誘導が吉と出るか凶と出るのか、今後もMicrosoftの動向から目が離せない。
参照元:Microsoftが年間サブスクリプションを利用しない場合のOffice価格を20%値上げへ【GIGAZINE】
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