これまで何度も存続の危機がささやかれてきたLightning(ライトニング)ケーブル。iPhoneユーザーであれば家に1本、職場に1本、カバンの中に1本と、いくつも持っていることだろう。なぜならiPhoneの充電やデータのやりとりは、Lightningケーブルがないと始まらないからだ。だがそれは標準的な規格ではないため、USB Type-Cへの変更を求める声があちこちから上がっていた。
今回は中国の関係機関が外部接続端子の規格統一を進める動きを見せているよう。その内容について紹介していく。
もはやLightningケーブルを維持するメリットはあるのか
過去→こちらでもご紹介したが、2021年9月にはEUで「Lightningケーブル廃止法案」の議論がスタート。アップルは断固反対の姿勢を見せており、USB-CでもLightningケーブルでもなく、ワイヤレス充電に一本化した「完全ポートレス」を目指すとも言われていた。また2021年12月に登場したリーク情報では、2022年モデルのiPhoneでUSB-Cに変更されるとの内容→こちらだったため、Lightningケーブルの命はまさに風前の灯といっていい。
まさに四面楚歌といえるLightningケーブルに、今回さらなる追い打ちをかけたのが中国だ。台湾メディアの経済日報は、中国工業情報化部(MIIT)が、スマホなどにおける外部接続端子の規格統一を推進することを決定したと報じており、この報道が事実であればアップルがLightningケーブルを維持することはますます困難になりそうだ。
ユーザーの立場からすれば、確かにデバイスごとに端子が異なるのは「めんどくさい」の一言。ノートPC用はコレ、スマホはコレ、iPadはコレ……などとケーブルの管理・収納だけでも一苦労だ。しかもiPadとiPhoneを両方使うユーザーからすれば、「なぜ同じアップル製品なのにケーブルは違うの?」と思わないわけがない。そして統一するとしたらメジャー規格に…と思うのは当然といえるだろう。しかし、今変更されたとしたら、現在使用中のLightningケーブルが無駄になるわけで悩ましいところ。約10年前にiPhoneの30ピンコネクタがLightning端子に変更された時も、「充電ケーブルの貸し借りができない」、「持っている古いケーブルが使えない」など煩わしさを感じたが、現在のiPhoneユーザー数はけた違いだ。一体何本のLightningケーブルがゴミとなるのか……。
調査会社カウンターポイント・リサーチによる調査では、中国の2021年10月のスマホ市場でアップルが企業別シェアを22%獲得してトップに躍り出たという結果が出たばかり。「iPhone 13」シリーズが好調でシェア拡大につながったとのことだが、今回のMIITの結果はその動きに水を差すことになる。とはいえ、USB-Cに変更するには防水性能やMFiライセンスプログラムなど問題は山積みのようで、アップルが今後どう動くのか注目だ。
参照元:Lightning端子が不利に!?中国の関係機関が外部接続端子の規格統一推進へ【iPhone Mania】
引用元:経済日報は→こちら
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