モバイル分析会社のオープンシグナルが、2022年4月に携帯大手キャリアのネットワークに関する分析を公表している。対象は、「ドコモ」「au」「ソフトバンク」「楽天モバイル」の4社。カバレッジ部門や5Gエクスペリエンス、全体のエクスペリエンスなどいくつかの項目で評価をしているのだが、総合的にどこの品質が一番評価されたのだろうか。
5Gダウンロード速度 1位はドコモ 5Gアップロード速度 1位は楽天モバイル
この分析会社はイギリスの会社で、実際のユーザーエクスペリエンスの測定に基づいて、世界のモバイルネットワークを調査している。大手4社の中だとそれほど通信速度などのサービスに、差はないのではないかと思われる人もいるかもしれないが、はたして実際はどうなのだろうか。
5Gのダウンロード速度を見てみると、「ドコモ」が1位で194.0Mbps、2位には「楽天モバイル」で181.8 Mbps、離れた3位に130.7 Mbpsの「au」、最下位の4位には「ソフトバンク」109.6Mbpsという結果になっている。
アップロード速度も同じかと思うと、こちらの結果はまた違って、29.7Mbpsの「楽天モバイル」が1位。2位はダウンロード最下位だった「ソフトバンク」で24.2 Mbps、3位「au」12.8 Mbps、ダウンロードトップの「ドコモ」は9.7Mbpsの4位という結果になった。
同じ通信回線でも、ダウンロードとアップロードでここまで差がつくのは、意外といえるかもしれない。また、どちらも好成績を収めた楽天モバイルの優等生ぶりも際立つ結果となった。
総合的に品質評価が高かったのは、ドコモとソフトバンク!
上記にあげたようないくつかの項目を総合的に評価した結果、「品質安定優秀賞」をドコモとソフトバンクで共同受賞となった。この2社が、各分野でまんべんなく評価を得ている結果といえそうだ。
実際、携帯電話サービスを利用できる範囲を示す「カバレッジ部門」では、ドコモがほぼ横ばいながら利用率、他社に一定の差をつけて5G到達率でトップ、5G利用率ではソフトバンクとともに1位という結果と、5Gの評価が高いことがよかったのかもしれない。とは言っても、今現在5Gが使えるエリアというのはほぼ都心に限定されており、まだ対応しているスマホ機種も限られているのが現状だ。
ただ全国で5Gのエリアの拡大がどんどん進行しており、総務省は2023年度3月末までに5Gの人口カバー率を95%にすることを目指している。NTTドコモは5Gの展開ペースを早めると言っており、楽天は今年5G基地局を少なくとも1万基増やす予定だ。
今後キャリアを変更するような際には、5Gの使用状況が大きな選択のカギとなりそうだ。
出典元:日本 モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート【Opensignal】