「世の中の製品は購入時が最も価値が高い」というのは常識だ。ごく一部、希少性などでプレミアがつく製品もあるにはあるのだが、基本的にスマホをはじめとした工業製品は購入をピークに、中古となって使用していくほどに価値が下がっていく。
今回は、そんなスマホの価値の減少具合を、実際に調査した発表についてお伝えしていきたい。
アップル・グーグル・サムスンの最新スマホの価値推移が判明する
アメリカのウェブメディア・SellCellは自身のブログで、アップル・グーグル、サムスンという世界のスマホメーカーとして大手の3社から発売されている最新機種の減価償却率を分析した。それぞれの機種が発売から1カ月・2カ月経過後にその価値を再判定し、中古のスマホを「新品同様」「良好」といったステータスに分類していった。
その結果によれば、発売2カ月での減価償却率の平均は、サムスンの「Galaxy S22」シリーズでは「良好」で平均51.1%の価値減少となり、「新品同様」でも46.8%という数字を記録した。またグーグルの「Pixel 6」シリーズも「良好」で43.5%、「新品同様」で41.5%という結果におさまった。どちらも価値が4割から5割減少したこととなり、Galaxy S22シリーズの中には2カ月後に最大で574.99ドル相当、日本円にして約74,500円(2022年5月12日時点)、の価値減少のあった機種も存在するという。
一方で、アップルの「iPhone 13」シリーズはというと、「良好」で19.1%、「新品同様」では16.4%の損失に留まっていた。とくに「iPhone 13 Pro Max(128GB)」では、2カ月後に「良好」で4.7%、「新品同様」では3.8%を記録し、2カ月でわずか52ドル(約6,740円)しか価値が減っていなかった。まさに「iPhoneはAndroidスマホと比べて、価値が目減りしない」と明らかとなったのだ。
中古市場のiPhone人気も「目減りしづらさ」に起因する?
同じ最新機種を比較しても、ブランドによって言葉通り“桁の違う”価値の目減り具合が明らかとなったが、もしかすると、日本の中古スマホ市場の人気もそうした部分が関係しているのかもしれない。
ウェブメディア・iPhone 格安SIM 通信が発表した「2022年1~3月中古スマホ取引数ランキング」によれば、「中古iPhone端末ランキング」では2017年発売の「iPhone 8」がトップ3を独占。さらに4位以降には「iPhone 12」や「iPhone SE(第2世代)」といった2020年発売の機種が続き、8~10位に並んだ「iPhone 7」に至っては、その発売は2016年だ。
一方で「中古Android端末ランキング」では、2位のソニー「Xperia XZ」こそ2016年発売と古い機種だが、1位となった「Xperia Ace II」をはじめ2021年発売の機種がトップ10のうち4種。3・4位となった「Galaxy S20 5G」「Galaxy A21」も2020年登場で、iPhoneと比較すると新しい機種が多くを占める結果となった。
今回、SellCellが分析した「減価償却率」は「耐用年数」によって変動する。長く使えるものほど価値が減りづらいと考えると、「iPhoneの価値が目減りしづらい」=「iPhoneは長く使える」→「古いiPhoneも中古市場で積極的に取引される」ともいえそうだ。
iPhoneが古い機種でも長く愛される理由が、またひとつわかったかもしれない。
引用元:【SellCell】
※サムネイル画像(Image:SellCell)