日本のスマートフォン業界において、iPhoneは圧倒的なシェア率を誇ることは広く知られている。しかし、熱心なiPhoneファンの中にも、毎年上がり続ける本体価格を苦々しく思っている人も多いのではないだろうか。そのようなiPhoneファンの内心を示すような結果が、とある調査で判明している。
今回は、ハイスペック化や物価上昇、円安などの影響で、値上げが既定路線となりつつある「iPhone 14(仮称)」の購入意欲についてお伝えしていきたい。
円安&物価上昇のダブルパンチで苦難
物価上昇や円安に伴い、日本に住む多くの人にとって生活が苦しくなっている昨今。株式会社ニューズドテックは、首都圏1都三県に住む20代から50代の男女800名を対象に「円安・物価上昇に伴う支出意識調査」を行った。
アンケートでは、まず物価に賃金上昇が伴っていないことが明白となる結果が出た。収入が「増えている」「増える予定」と回答したのはあわせて17%、「変わらない」「増える予定はない」と回答したのは83%となり、8割以上が苦しい状況に追い込まれている現実が見える。これはスタグフレーション(景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず、物価が上昇する状況)にあたることが懸念され、もしそうなれば日本では1970年代のオイルショック以来の苦境となる。
そのような調査内で、唯一具体的に購買意欲が問われた製品がiPhoneだ。熱烈なファン層がいるアップルであっても、生活におけるコスト削減の波は免れないようなのだ。
新型iPhoneの購入意欲、以前より低く?
2022年秋に発売が予想されている新型iPhoneだが、値上がりすると見てまず間違いない。調査では、iPhone 14(仮)シリーズを「高くても買いたい」と答えた人はわずか6%、「高いけど興味はある」の17%とあわせても、購入意欲のあるユーザーはわずか23%に留まった。対して「買う予定はない」は41%、「全く興味がない」の36%を合わせると77%にも及ぶ。Androidスマホユーザーも含めての数字だとは思うが、それを考慮しても少なく見える。
海外製品の価格が上昇する円安という状況でなくても、ただでさえ、iPhoneの価格は上がり続けている。2008年に発売された「iPhone 3GS」の価格は69,120円から、その後シリーズを重ねるごとに価格は上昇し、2021年に発売した「iPhone 13 Pro Max」は現在122,800円となっている。もちろん「iPhone 13 mini」など廉価な製品を選ぶことはできるが、他の物価も上がり続ける中での買い物となれば、慎重になるのが自然な流れだろう。
かつては、iPhoneの新作が発売となると、アップルストアにできる長蛇の列がテレビで報道され、店は1秒でも早く製品を購入したいという熱心なアップルファンであふれたものだ。しかし、生活のために支出を抑えざるを得ない状況で、そのようなファンもiPhoneにばかりこだわっていられないのかもしれない。
出典元:ニューズドテック調べ 最新iPhone14「高くても買いたい」6% 円安・物価上昇に伴う支出意識調査を発表!【ニューズドテック】
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