Google Pixelの開発など、本格的に自社製スマートフォンやタブレットに注力しはじめたGoogle。Google製のAndroid OSはコスパのよさやカスタマイズのしやすさから世界中で人気のOSだが、近年のスマホ業界では、iPhoneの勢力も増してきているようだ。そのような状況を危惧してか、Googleは自社ブログでとある記事を公開した。
GoogleがAndroidスマホのポイントを紹介
6月29日よりiOSからAndroidへの移行アプリをすべての端末で開放。(Android公式Twitterより引用)
2022年6月29日にGoogleは「Androidに切り替える10の理由」を公開。Android デバイスの特徴を簡潔に紹介し、その使いやすさをアピールしているようだ。
Googleが公開している10の理由は以下の通り。
1.新しい方法で自分を表現する
2.誰とでも、どこでもビデオチャット
3.お気に入りの音楽に耳を傾ける
4.お気に入りのアプリなど
5.プライバシー第一のアプローチ
6.連携して機能するその他のデバイス
7.Googleのアプリとサービスの活用
8.音楽や写真の共有
9.Androidウィジェットを使用してホーム画面をカスタマイズ
10.誰にとっても便利なテクノロジー
「1.新しい方法で自分を表現する(Express yourself in new ways)」では、Googleのキーボードアプリ「Gboard」やメッセージアプリ、RCS(LINEのようなメッセンジャーアプリの機能をもつサービス)が利用できることをアピールしている。とくに、RCSについては開発にGoogleが関与しているようで、RCSの普及に注力しているようだ。
「9.Androidウィジェットを使用してホーム画面をカスタマイズ(Customize your Home screen with Android Widgets)」の「ウィジェット」とは、特定のアプリを開かなくとも、ホーム画面上に表示して操作できるショートカット機能のこと。設定することで、カレンダーや音楽プレイヤー、天気、メールなどをホーム画面上で確認や操作ができるようになる。自分用にカスタムすることでさらにスマホが使いやすくなる、Android独自の機能だ。このような独自の機能やUIがAndroidの大きな強みだろう。
今回の発表では、iPhoneと比較した内容や、iPhoneからの乗り換えについて言及しているものも多い。「3.お気に入りの音楽に耳を傾ける(Tune into your favorite music)」では、各種ストリーミングサービスなどを利用することでヒット曲が聴けるということだけでなく、iPhoneでダウンロードした音楽を転送できることや、Apple MusicアプリをAndroidスマホでダウンロードすれば、Apple Musicのコンテンツをそのまま使用できることを発表した。
ほかのアピールポイントでも、iOSのサービスをAndroidスマホでも利用できることを主張しており、そもそも導入部分で「iPhoneからAndroidスマホへの切り替えが簡単になった」と露骨に表現している。また、スマホ向けOSがAppleのiOSとGoogleのAndroidスマホの二強であることからも、本当はタイトルを「“iPhoneから”Androidスマホに切り替える10の理由」としたかったのかもしれない。
日本ではiPhoneユーザーが多いイメージだが、世界的にはAndroidスマホの方が利用率は圧倒的に高く、Statcounterのデータによれば、2022年5月時点の世界のAndroidスマホシェアは71.45%、対するiPhoneは27.83%となっている。
しかし、Google(とApple)のお膝元であるアメリカに限定すると、iPhone57.43%、Androidスマホ42.29%と逆転されてしまっている。今回の発表が英語版で公開されている点を考えると、アメリカ国内でのシェアの巻き返しを図りたいのかもしれない。
今回の発表単体では、シェアに変動があるとは考えにくいが、それほどこだわりが強くないiPhoneユーザーにはAndroidスマホの選択肢を芽生えさせた可能性もある。今後のシェアの動きにも注目していきたい。
出典元:10 reasons to switch to Android【Google】
※サムネイル画像は(Image:「Google」公式サイトより引用)