現在、多くのフリマサービスで中古スマートフォンの取引が活性化していることをご存じだろうか。多少、型落ちしていても、定価で購入するよりもかなり安価にスマホを手に入れられることが、一番の魅力だと言えるだろう。
今回は、中古スマホの取引実績をまとめたデータをご紹介しよう。
中古スマホ全体では2020年よりダウンする中、AndroidスマホがiPhoneに迫っている!?
ECサイト「にこスマ」を運営する伊藤忠商事グループの株式会社Belongは2021年度の「中古スマートフォン取引実績調査レポート」を公開。レポートによると、2021年度の中古スマホ全体の取引数は約36万件だが、前年度は約44万件だったため、18.0%減少した。中古スマホは人気である印象があるが、意外にもその需要は低くなっているようだ。
2020年度は、コロナ禍に入ったばかりで、財布のひもが固くなったことや新型スマホの大々的なイベントなどが少なかったことなどから、当時の中古スマホ市場が盛り上がっていた可能性は高い。2021年度は、5G対応スマホが増加したこともあり、中古より新型を検討する人が増えたのかもしれない。ただ、2022年度は世界的な半導体不足や材料費の高騰や円安の影響で、新型スマホの価格が上がる可能性がある。そうなると、中古スマホ市場がまた盛り返すことになるかもしれない。
2021年の中古スマホ市場シェアでは、「iPhone」は56.3%、「Androidスマホ」は43.7%とおよそ6:4の割合となった。日本ではiPhoneが相変わらず人気だが、トレンドとしてはiPhoneシェアが年々下がっており、Androidスマホが徐々にシェアを拡大している。Androidスマホは価格が安い機種が多く、とくにコロナ禍ではコスパを重視する人も増えてきたことで、Androidスマホの需要が高まっているようだ。
iPhoneとAndroidスマホのそれぞれの取引件数ランキングもご紹介する。
iPhoneシリーズの2021年取引件数ランキングでは、第3位が「iPhone SE(第2世代)」、第2位は「iPhone 7」、第1位は「iPhone 8」という結果に。iPhone 7やiPhone 8の発売は5年以上前だが、ホームボタンを搭載し指紋認証「Touch ID」を利用できる機種ということもあり、今なお根強い人気を誇っているようだ。
Androidスマホのランキングでは第3位「Xperia XZ3」、第2位「Xperia XZ1」、第1位「Galaxy A21」となった。Xperiaはソニー製のAndroidスマホで、高画質、高音質を売りにしている。サムスンのGalaxy A21はシンプルで使いやすいのが特徴。2020年度の取引件数は843件だったが、2021年度は3,352件とおよそ4倍に。いわゆるエントリーモデルで性能を求める人には物足りないかもしれないが、やはりこのコロナ禍でスペックよりも価格を重視する人は増えているようだ。
またAndroidスマホのシリーズ別のシェアでは、1位が「Xperia」で22%、2位は「AQUOS」で18%、3位は「Galaxy」で16%となり、この3種が上位を占めるのは新品市場も同様のようだ。割合が2桁以上なのもこの3種のみで、4位以下には「HUAWEI」、「ARROWS」、「Pixel」などが続いている。HUAWEIスマホは米中問題によりYouTubeやGooglePlayなどのGoogleアプリが非対応ながら、中古市場では取引され続けている。
中古スマホはスペックや対応アプリなどは最新機種には劣るものの、SNSやカメラ、動画など基本的な機能は問題なく使用できるものは多い。新型スマホだと数万円~十数万円するため、普段使い程度であれば中古スマホでも十分という人も多いだろう。いずれにしても、スマホの購入を検討する際には、自分がよく利用する機能やアプリを考え、財布と相談して自分に合う機種を選ぶのがよいだろう。
出典元:にこスマは→こちら
※サムネイル画像(Image:Vasin Lee / Shutterstock.com)