近年の最新スマートフォンの価格高騰に際して、MVNOのサービスを利用者が増えているようだ。MVNOとは、大手携帯キャリアの通信インフラを借りて、モバイル通信サービスを提供している事業者のこと。わかりやすくいえば、格安SIMを提供している事業者を指している。格安SIMといえば利用料は安いが、大手キャリアと比べると通信が安定していないというイメージもあるかもしれない。今回は、そのようなMVNOのネットワークに関する調査結果をご紹介しよう。
MVNOの使いやすさを6項目・5点満点で調査
ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、国内のMVNOのネットワーク品質を調査。対象はOCN モバイル ONE、IIJmio、mineo、BIGLOBEモバイル、日本通信SIM、イオンモバイル、donedone、J:COM MOBILE。ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線ごとに、それぞれの回線を使用するサービスについて「Web表示」「マップ表示」「動画再生」「ギガ消費」「アプリDL」「通信速度」の6項目にわけ、1~5点満点で評価した。
ドコモ回線では、NTTコミュニケーションズの提供するOCN モバイル ONEが、すべての項目で満点を記録。IIJmioもマップ表示・動画再生・アプリDLの3項目が5点、残りの項目でも4点以上と高水準の数値となった。
au回線では、ドコモ回線でも使用可能なIIJmioがWeb表示3.67点、ギガ消費4点という数値だが、他の4項目はすべて満点と高い評価に。au回線で最も高かったのは、J:COM MOBILEで、ギガ消費以外の5項目で5点を記録、ギガ消費も4点と評価がかなり高いようだ。
8つの調査対象のうち、唯一、ソフトバンク回線を利用できるmineoはマップ表示・動画再生・通信速度は高水準であるものの、Web表示とギガ消費は基準値(3点)並、アプリDLに関しては最低値である1点と低評価がくだされてしまった。
項目ごとに見ていくと、マップ表示・動画再生・通信速度については、どのMVNOサービスでも4点以上と高い水準を記録しているため、サービスにかかわらずGoogleマップやYouTube動画の視聴などは快適に利用できるだろう。アプリDLも、auとソフトバンク回線のmineoとドコモ回線のイオンモバイル以外はすべて満点。Webサイトの表示とギガ消費では、すべてのサービスで基準値の3点は超えているものの、バラつきが出る結果となった。
総合評価が最も高かったのは、全項目満点のOCN モバイル ONE。とはいっても、すべてにおいて高水準のため、基本的にはどのようなシチュエーションでも問題なく利用できるだろう。ただし、すべての項目でトップだったというわけではなく、たとえば、ギガ消費の項目では最も消費を抑えていたのはイオンモバイルである。
また、今回はあくまでも調査時点での結果であり、環境や状況によってはこの限りではないこともあるため、比較する際の参考程度にするのがよいかもしれない。
MVNOは利用料がキャリアよりも比較的安く抑えられるのが最大の魅力だが、通信が安定しにくい、実店舗が少なくトラブルの際にサポートを受けにくいなどのデメリットも。また、各MVNOの性能面は上記の通りだが、料金やサービス内容は異なっているため、MVNOの利用を検討する際は、それぞれの特徴を把握し、総合的に自分に合っているものを検討するとよいだろう。
出典元:MVNOは快適に利用できる品質水準を維持【MM総研】