ネットがより身近になり、小学生から高校生の子どもまで当たり前にスマホを持つ現代。ゲームへの過剰な課金やインターネット犯罪被害なども問題視される中、「子どもたちには安全性が高いスマホを持たせたい」と思うのが親心というもの。子どもがトラブルに巻き込まれないためには、はたして、どのようなスマホを選択すればいいのだろうか? また、親が子どものスマホをチェックする機能にどんなものがあるのだろうか?
思春期になったら、“子ども向け”携帯は卒業?
一昔前のスマホがなかった時代は、小学生以下の子ども用に機能を制限した“キッズケータイ”が人気を博していた。しかし最近では、より現代にマッチした“子ども向けスマホ”も販売されている。機能性としては、ネットへのアクセス制限(フィルタリング)や子どもの位置確認、防犯ブザー代わりになるものも。ただ“子ども向け”と名の付く商品は、子どもが思春期の年齢になると、使える機能が少なすぎて物足りなくなることもしばしば…。
とくに中学生・高校生といった多感な時期は、流行に敏感になったり、お友達との関係を大事にしたりする世代。さらに教育現場ではオンライン化がすすんでいるため、学校や塾で勉強用アプリなどを活用する機会が増えてくることも否めない。いつまでも“子ども向けスマホ”ではなく、子どもの成長に合わせて携帯電話の種類を変えていく必要があるようだ。
“子ども向け”スマホを卒業した思春期の子どもには、一般的な携帯電話のiPhoneやAndroidスマホなどを持たせることになりそうだ。しかし、そうなると、今までは制限があって使用できなかった機能を子どもが自由に使えるようになり、親は子どものスマホ使用状況が心配に。そこで、親が子どものスマホをチェックできる「保護機能」というものがある。保護機能とは、いったいどんなものなのだろうか。
では、いわゆる“思春期”の子どもたちへ持たせるスマホに求められる保護機能とはなにか? スマホの種類と言えば、一般的にiPhoneとAndroidを持つ人が多いはず。今回はメジャーな2種の保護機能をくらべてみた。
●iPhoneの保護機能とは
まずiPhoneには、「スクリーンタイム」を利用して使用制限をする方法がある。制限できる項目は「利用不可の時間帯」「Appの使用時間」「通信・通話」「不適切なコンテンツ」がある。また「承認と購入のリクエスト」で勝手な課金やアプリのダウンロードを防ぐこともできるため、あわせて使用するのがオススメ。設定方法は簡単で、「設定」から「スクリーンタイム」に移り、「ファミリーのスクリーンタイム」をタップ、子どものアカウントを作成して設定を行う。
●Androidの保護機能とは
対するAndroidも負けていない。たとえば、無料で提供されているアプリ「ファミリーリンク」を使用すれば、子どものスマホ利用を制限できる。Google Play ストアから保護者のスマホにアプリをインストールしてアプリを起動すると、「昼と夜の利用時間」「アプリのダウンロード」「サイトの表示」といった項目が選べる。詳しくこちらの記事で紹介しています。
なお、iPhoneとAndroidともに有害サイトの閲覧防止には、Google Chromeの「セーフサーチ」を設定することも可能。設定方法は「設定」から「不適切な検索結果を非表示にする」を開き、「露骨な表現を検索結果から除外する」をオンにしたら完了となる。
●Google検索ヘルプ「セーフサーチを使用して露骨な表現を含む検索結果を除外する」は→こちら
スマホの見すぎ防止には、保護機能とおうちのルールをあわせて
ネットでは「受験生だからスクリーンタイムを待ち受けにさせている」「わが家のルールとして夜9~朝7時までは使用できない設定にしていて、守れないならスマホ没収。ファミリーリンクならGPSも付いているしアプリも管理できる」と、保護機能と使用ルールを組み合わせることで、世の中の親御さんに重宝されている様子。
大人であっても油断すると巻き込まれかねないデジタル犯罪。しかし、今はiPhone、Androidなどスマホを思春期の子どもたちに持たせても、危険から守るための設定が容易にできる時代になってきている。「安全性」と「利便性」のバランスを考慮に入れつつ、スマホ選びをしてみてはいかがだろうか?
※サムネイル画像(Image:EugeneEdge / Shutterstock.com)