iPad Air(第5世代)にそっくりな「iPad(第10世代)」は何が違うの?

2022年10月26日、新型「iPad(第10世代)」が発売されます。でも、Appleには同じ10.9インチで見た目もそっくりなiPad Air(第5世代)もあります。この2台は何がどう違うのでしょうか? これからiPadを購入しようと思っている人はかなり悩んでしまうでしょうね。そこで今回はiPad(第9世代)も含め、今買うべきiPadはどれなのか解説しましょう。

iPad(第10世代)はiPad(第9世代)より大きく進化!

2022年10月26日、Appleから新型「iPad(第10世代)」が発売されることになりました。予約は10月19日からすでに開始されています。

このiPad(第10世代)はA14 Bionicチップを採用し、ディスプレイは10.9インチです。ホームボタンがなくなり、かなりスッキリしたデザインになりました。

また、コネクタには新たに「USB-C」を採用しており、Cellular(データ通信)は5Gに対応。Wi-Fiも高速な11ax(Wi-Fi6)に対応しており、価格は6万8,800円~となっています。

●Apple「iPad(第10世代)」→こちら

iPad(第10世代)は10.9インチでホームボタンのないスッキリしたデザインに! コネクタもUSB-Cを採用しており、旧モデルとは見た目が大きく異なる(画像はApple公式サイトより転載)

これに対し、旧モデルのiPad(第9世代)は10.2インチで一回り小さく、昔ながらのホームボタンがあります。コネクタはApple独自の「Lightning」なので、やや古臭い印象となります。

チップはA13 Bionicを搭載しており、Cellular(データ通信)は4Gまで。Wi-Fiも11acまでしか対応していません。

性能面でも第10世代に比べるとやや見落とりしますが、その分、価格は4万9,800円~と格安です。どうせなら、最新モデルの第10世代にしておきたいところですが、約2万円も価格差があると、大いに悩むところですよね。

●Apple「iPad(第9世代)」→こちら

こちらがiPad(第9世代)。10.2インチでホームボタンがあるため、見た目はやや古く臭い印象。それでも新型との価格差は約2万円もあるのが悩みどころ……(画像はApple公式サイトより転載)

iPad(第10世代)はiPad Air(第5世代)と比較すべき?

さて、ホームボタンがなくなり、新たにUSB-Cを採用するiPad(第10世代)ですが、そのデザインはiPad Air(第5世代)にソックリで、パッと見では区別がつかないほどです。

したがって、iPad(第10世代)と比較するならiPad(第9世代)ではなく、むしろiPad Air(第5世代)ということになるでしょう。

とはいえ価格はiPad Air(第5世代)のほうが2万4,000円も高く、性能的にも異なる部分が多いので、このあとじっくりとiPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)の違いを確認していきましょう。

●Apple「iPad Air」→こちら

こちらがiPad Air(第5世代)。ホームボタンもなくコネクタにUSB-Cを採用するなど、見た目ではiPad(第10世代)とはほとんど区別がつないほどソックリ!(画像はApple公式サイトより転載)

  iPad(第9世代) iPad(第10世代) iPad Air(第5世代)
ディスプレイ 10.2インチ/IPS 10.9インチ/IPS 10.9インチ/IPS
解像度 2,160×1,620(264ppi) 2,360×1,640(264ppi) 2,360×1,640(264ppi)
チップ A13 Bionic A14 Bionic M1
CPUコア 6 6 8
GPU コア 4 4 8
Neural Engine 8 16 16
ストレージ 64GB/256GB 64GB/256GB 64GB/256GB
RAM 3GB 4GB(予想) 8GB
カメラ(IOUT/IN) 8MP/12MP 12MP/12MP 12MP/12MP
USB-C ×(Lightning) 〇USB3.1Gen2対応
Cellular 4G 5G 5G
Wi-Fi Wi-Fi(802.11a/b/g/n/ac) Wi-Fi 6(11ax) Wi-Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax)
Apple Pencil support 第1世代 第1世代 第2世代
バッテリー 最大10時間 最大10時間 最大10時間
サイズ 250.6×174.1×7.5mm 248.6×179.5×7mm 247.6×178.5×6.1mm
重量 487(498g/cellular) 477(481g/cellular) 461(462g/cellular)
カラー スペースグレイ/シルバー シルバー/ブルー/ピンク/イエロー スペースグレイ/ブルー/ピンク/パープル/スターライト
価格 4万9,800円~ 6万8,800円~ 9万2,800円~

こちらがiPad(第9世代)、iPad(第10世代)、iPad Air(第5世代)の3機種の違いを表にまとめたもの。何がどう違うのか確認してみよう(表はApple公式サイトのデータを元に筆者が作成)

まず、iPad(第10世代)のチップは、旧モデルの「A13 Bionic」から「A14 Bionic」に変更されており、速度が20%も向上しています。

ところが、iPad Air(第5世代)は、6コアのA14 Bionicよりもさらに強力な8コアCPUと8コアGPUを搭載した「M1」チップを搭載しています。M1チップはA14 Bionicよりも最大60%も高速化していると言われています。

Webサイトの閲覧や動画を見るだけならA14 BionicのiPad(第10世代)でも十分過ぎる性能ですが、ビデオ編集などの重い作業もするならやや厳しいでしょう。

ちなみに、iPadOS 16ではマルチタスクを充実させ、パソコンのように使える「ステージマネージャ」に対応しますが、これにはM1チップが必須になります。

もし、iPadをパソコンのように使ってヘビーな仕事もしたいなら、iPad Air(第5世代)を選んだほうがいいでしょう。

iPad Air(第5世代)は、6コアのA14 Bionicよりもさらに強力な「M1」チップを搭載。iPadOS 16の目玉機能「ステージマネージャ」はM1チップが必須となる(画像はApple公式サイトより転載)

【2】ディスプレイに違いはある?

iPad(第9世代)は10.2インチで解像度は2,160×1,620(264ppi)ですが、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は、ほぼ同じ10.9インチディスプレイを搭載しています。

解像度はいずれも2,360×1,640(264ppi)で、輝度は500nit、True Toneなどにも対応しますので、この2機種ではディスプレイに大きな差はないと言えるでしょう。

ただし、細かい部分ではiPad Air(第5世代)のディスプレイには、広色域ディスプレイ(P3)、反射防止コーティング、フルラミネートディスプレイに対応するといった違いがあります。

とはいえ、通常の利用でその差を感じる場面はあまりないと思われます。

iPad Air(第5世代)(上)とiPad(第10世代)(下)とは、ほぼ同じ10.9インチディスプレイを搭載しており、この2機種でディスプレイに大きな差はない(画像はApple公式サイトより転載)

【3】カメラ性能に違いはある?

第9世代のカメラは、OUTカメラが8MPでINカメラが12MPでしたが、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は、いずれもIN/OUTとも12MPの広角レンズカメラを採用しています。

また、iPad(第10世代)は、iPadとして初めて横ベゼルにフロントカメラを搭載しています。これによって横向きでのビデオ通話がしやすくなっています。

iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は、いずれもIN/OUTとも12MPの広角レンズカメラを採用しており、ほぼ同じと考えて良い(画像はApple公式サイトより転載)

左がiPadAir、右が第10世代iPad。カメラの位置が大きく異なっており、外観上はここで見分けることができる(画像はApple公式サイトより転載)

Appleのデバイスはバッテリー容量を公表していませんが、いずれのモデルもWi-Fiでのインターネット使用、ビデオ再生で最大10時間、Cellularモデルのデータ通信の場合は最大9時間となっています。

つまり、バッテリーの持ちに関しては、どのモデルを選んでもほとんど違いはありません。

バッテリーに関しては3機種ともまったく同じなので、気にする必要はないだろう

【5】コネクタはLightning? それともUSB-C?

コネクタに関してはiPad(第9世代)のみが、Appleオリジナルコネクタ「Lightning」を採用しています。

しかし、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は、いずれも汎用性の高い「USB-C」を採用しているほか、どちらも電源ボタンにTouch IDを内蔵しています。

さほど気にすることはありませんが、将来的にLightningコネクタは無くなってしまう可能性が高いと見られています。

(Image:Primakov / Shutterstock.com)

コネクタは第9世代のみがLightning(右)。それ以外はUSB-C(左)を採用している

【6】iPad(第10世代)も最新規格Wi-Fi 6に対応するが……

iPad(第9世代)のWi-Fiは11acまでしか対応せず、データ通信も4Gまでしか対応していません。

これに対し、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は、いずれも最新規格Wi-Fi 6(11ax)に対応しているほか、データ通信規格は高速な「5G」にも対応しています。

数年後に環境が整えばWi-Fi 6も5Gも当たり前になっているので、長く使うならiPad(第9世代)は避けたいところです。

とはいえ、現状でWebサイトを閲覧したりHD画質の動画を視聴する程度なら、iPad(第9世代)のスペックでもさほど問題はありません。

【7】iPad(第10世代)はApple Pencil(第2世代)に非対応!

iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)は非常によく似ていますが、iPad Air(第5世代)がApple Pencil(第2世代)をサポートするのに対し、iPad(第10世代)はサポートしない点には注意が必要です。

つまり、iPad(第10世代)はApple Pencilをマグネットで本体側面に取り付けて、充電やペアリングを行うことができない仕様なのです。

また、iPad(第10世代)とiPad Air(第5世代)に対応する純正キーボードアクセサリには互換性がありません。

iPad(第10世代)はMagic Keyboard Folioのみに対応し、iPad Air(第5世代)はMagic KeyboardとSmart Keyboard Folioが利用できるようになっている点にも注意してください。

【8】カラバリに違いはあるの?

実際にiPadを買う時に悩むのがボディカラーです。iPad(第9世代)はスペースグレイとシルバーしかなく非常に地味ですが、iPad(第10世代)には、シルバー、ピンク、ブルー、イエローの4色が用意されています。

また、iPad Air(第5世代)もスペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーの5色から選べるようになっています。

まとめ

いかがでしょうか? iPad(第9世代)はホームボタンがあってデザインがやや古く、性能面も多少見劣りしますが、4万9,800円から購入できるのが最大の魅力となっています。

正直言って、デザインのことを気にしないなら、Webサイトや動画の閲覧がメインで使う分には、iPad(第9世代)でもまったく問題ないでしょう。

これに対し、ホームボタンがなくスッキリしたデザインで、iPad Air(第5世代)にソックリなiPad(第10世代)は、約2万円ほど高い6万8,800円~となっています。

もちろん、見た目だけでなくWi-Fi 6や次世代5Gに対応するほか、コネクタにUSB-Cを採用する新世代なので、第9世代より約2万円高くても満足度は高そうです。

iPad Air(第5世代)は、何と言ってもM1チップを搭載しており非常に高性能です。パソコンのように動画の編集などもバリバリこなすつもりなら、9万2,800円の価格も納得でしょう。とはいえ、Webサイトや動画を閲覧するだけなら、iPad Air(第5世代)はオーバースペックではないでしょうか?

なお、iPadでApple Pencilの使用を前提としている場合、iPad(第10世代)はApple Pencil(第2世代)をサポートしていていない点が大きなポイントになるでしょう。

※サムネイル画像(Image:apple.com

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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