近年スマートフォンのスペック向上にともなって、販売価格も高まっている。とくにiPhoneシリーズなどは、その傾向が顕著だといえよう。一方で、それなりのスペックを維持しながらも低価格で販売される端末も。今回は高価格と低価格、それぞれのスマートフォンの満足度調査を紹介する。
ハイエンドではApple、ミドルレンジではGoogleとXiaomiが満足度1位に
株式会社J.D.パワージャパンは「J.D. パワー 2022年スマートフォン端末顧客満足度調査℠」の結果を公開。2020年以降に発売されたスマートフォンを利用しているユーザーを対象に、発売当初の価格が7万円以上の端末を「ハイエンドモデル」、7万円未満の端末を「ミドルレンジ/エントリーモデル」と定義し、それぞれのモデルの満足度を調査した。
ハイエンドモデルでの顧客満足度が最も高かったのは「Apple」の端末。本調査では「外観・デザイン」「カメラ」「本体機能・性能」「ディスプレイ」「バッテリー」「端末価格」の6ファクターと、それに関連した計20の詳細項目で評価されているが、Appleは全ファクターで最高評価を獲得した。
第2位はXperiaシリーズが有名な「ソニー」、第3位はGalaxyシリーズが人気の「SAMSUNG」という結果に。
ミドルレンジ/エントリーモデルでは「Google」と、中国に本拠地を置くメーカーで、コストパフォーマンスのよい機種が強みの「Xiaomi」が662ポイントで同率1位。
第3位は650ポイントでApple。Googleは「カメラ」で、Xiaomiは「ディスプレイ」「バッテリー」「端末価格」の3ファクターで、Appleは「本体機能・性能」「外観・デザイン」で最高評価を得ており、それぞれの特長が反映されているようだ。
ハイエンドモデルユーザーの方が買い替え頻度は多い?
6ファクターに関連した20項目については、低スコアとなった評価項目(不満度が高い項目)の上位5項目を公開。ハイエンドモデルでは「端末本体の価格」について、最も不満を感じている人が多いようだ。ハイエンドモデルで満足度が第1位だったAppleのiPhoneは年々価格が上がっており、端末価格の高騰はユーザーに大きな負担を与えているようだ。
一方、ミドルレンジ/エントリーモデルでは「暗い室内や夜間での写りの良さ」の不満度が最も高く、ハイエンドモデルと比べるとカメラ性能が劣ってしまう機種が多いため、とくにSNSを利用するユーザーにとっては、スペックが物足りないのかもしれない。
端末の買い替えサイクルについてのアンケートでは、1年~2年ほどで買い替えるユーザーはハイエンドモデルでは約3割、ミドルレンジ/エントリーモデルでは約2割と、価格の高いハイエンドモデルのユーザーの方が買い替える頻度が高いようだ。ハイエンドモデルは、ほぼ毎年性能が向上した機種が販売されている。コストパフォーマンス重視のミドルレンジ/エントリーモデルユーザーと比べて、性能を追求したいユーザーの買い替える頻度が高いのは当然といえるかもしれない。
ハイエンドモデル、ミドルレンジ/エントリーモデルにはそれぞれ特徴があり、メーカーによっても一長一短であるため、どの端末がよいかは自分次第だ。スマートフォンを買い替える場合は利用用途を考慮しつつ、財布と相談しながら決めるとよいだろう。
出典元:ハイエンドモデルでは価格、ミドルレンジ/エントリーモデルは室内や夜間撮影時の画質で低評価【J.D. Power】
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