ボタン式からタッチパネル式という画期的な仕組みで、登場時には世間を驚かせたスマートフォン。次世代のモバイルツールとして扱われてきたが、いまでは社会に定着。最新の発表情報によると、スマートフォンは国民の必需品になったようだ。
スマートフォン比率は96.3%! 年々、上昇し続けて必需品の時代に
携帯電話に関する事象をあらゆる視点から広く解明するNTTドコモ モバイル社会研究所は4月10日、ケータイ・スマートフォン所有動向の調査結果を発表した。同調査は2023年1月に実施されたもので、いわば最新のスマートフォン状況を記している。
日本国内における携帯電話所有者におけるスマートフォン比率は、2023年は96.3%となった。2021年は92.8%、2022年は94.0%と毎年上昇し、その勢いはとどまることを知らない状態である。最も古い調査結果は2010年の4.4%であり、読者の中でもその当時は、ほんの限られた人物がスマートフォンを所有していたのではないだろうか。
Apple社のiPhoneの初代モデルが発売されたのは2007年、サムスン電子社のGalaxyの初代モデルは2010年に発売されたことからも、つい最近のように感じる2010年は、スマートフォンにとっての黎明期だった。その当時は未来のツールとしてイノベーター層を中心に使用されていたが、保守的な一面がある日本市場において着実に普及が進み、スマホ派・ガラケー派なる議論も生まれた。
スマートフォンは携帯電話の新たな選択肢として台頭したかと思えば、いまでは、圧倒的な支持を集めるモバイルツールとなった。「96.3%」という高水準は、若者層やビジネスパーソン層だけに広まるだけで実現しない。その背景には、高齢者層への普及が進んでいることは間違いないだろう。
100%も夢ではない?
文字サイズが大きく、機能を絞り込んだ高齢者向けスマホも市場には定着しているが、街を歩き高齢者に目を向ければiPhoneシリーズをはじめとした最新機器を使用する高齢者も見受けられる。60代といってもビジネスパーソンとして、第一線で活躍していた当時は、Windows95の世界的ヒットによるパソコンの普及や携帯電話の普及の真っただ中におり、デジタルツールを使いこなした第1世代と言っても過言ではない。そうしたユーザー層にとって、直感的に操作できるスマートフォンは敷居が低いのかもしれない。
通話やメッセージアプリなどの日々のコミュニケーション、インタビュー検索やニュース、天気予報などの情報収集に加え、遠隔診療やオンライン診療もスマホでできる時代である。暮らしにまつわるあらゆることと、スマートフォンがひもづきつつあるなか、高齢者を中心にスマートフォンの普及が進めば、100%という数値も夢ではないのかもしれない。
出典元:【モバイル社会研究所】