スマートフォンを買い替える際、読者の方々は何を選ぶポイントにしているだろうか。デザインや高性能、大きさなど人それぞれ基準は違うといえるが、中でも「丈夫さ」を重視する人は多いだろう。スマートフォン端末の購入は金額が大きい買い物になることもあるため、なるべく買い換えなくてもよいように、持ちのよさそうな製品を選択したいものだ。実は、世間も同じ考えを持っている人が多いのか、スマートフォン端末の平均使用年数が年々、伸びているようだ。
携帯電話の平均使用年数は4年以上! 20年前よりも倍となる結果に
内閣府が毎月発表している「消費者動向調査」の2023年3月分調査によると、スマートフォン端末をはじめ、携帯電話の平均使用年数が年を追うごとに長くなっていることが明らかとなり、2023年3月の「携帯電話」の平均使用年数は4.4年となっていた。この結果を意外と見るか、当たり前とみるかは、人によって違うと思われるが、20年前と比較するとかなり年数が伸びていることがわかる。
2003年3月の「携帯電話」の平均使用年数を見ると、丁度半分の2.2年だったのである。2003年は、折り畳み式のガラパゴスケータイが普及していた年代で、2002年にカメラ付きの携帯電話端末がブームになり、携帯のカメラ機能が発展し始めていた年でもあったという。2003年の携帯電話普及率が83.3%であったことを考えると、まだまだ携帯電話は進化途中の時代であったといえるため、平均使用年数が約2年となるのも納得といえるだろう。
その後、携帯電話の進化とともに平均使用年数もますます伸びて行き、2009年のガラパゴスケータイ全盛期には、平均使用年数が3.2年となっている。また、スマートフォン端末が普及し始めたと考えられる2012年は3.5年となっており、2017年に4.4年と4年を超える結果に。携帯電話の普及率も2023年3月現在は96%と、かなり利用者数は増えたといえる。携帯電話はこれからも進化していくことが想像されるため、10年後には平均使用年数が5年以上になっている可能性があることも否定できないのではないだろうか。
エアコンや冷蔵庫は13年、カラーテレビは10年が寿命?
調査では、スマートフォン端末以外にも、電化製品を中心に平均使用年数を調査している。回答を集計した製品は11種類。2023年3月時点で平均使用年数が一番長かった物は「ルームエアコン」で13.6年であった。1年を通して利用する機会の多い家電だが、意外にも持ちがよいということが明らかになったといえる。
次に長持ちするのは「電気冷蔵庫」で13年。購入金額がかなり大きい家電製品になるためか、買い替えを検討する人は少ないかもしれない。常に稼働させておく必要がある家電であるが、できれば長持ちしてもらえると嬉しいといえる。
3番目は「カラーテレビ」で10.7年。テレビは4Kなど年を追うごとに映像技術が進化している物が多いが、やはりこちらも金額が大きな買い物になるため、すぐに買い替えようと考える人はあまりいないのかもしれない。4番目の「電気洗濯機」は10.1年と、こちらもカラーテレビなどと同様金額の事を考えると、壊れない限りは使い続ける人が多いのではないだろうか。
製品が壊れない限り家電・電化製品の買い替えをしないというのは、今回の調査からも読み取れる。「乗用車」と「デジタルカメラ」を除いたほとんどの製品が「故障」を理由に買い替えられていたのである。スマートフォン端末も38.7%が故障したら購入すると回答しており、新シリーズ発売とともに購入する人は意外に少ないといえる。
消費者の硬い財布のひもを緩めるために、携帯キャリアや家電量販店では販売促進のセールが行われるといえるのではないだろうか。
値段や機能性が高い製品をお得に購入できる機会を楽しみにしたい。
参照元:【内閣府】
参照元:【内閣府経済社会総合研究所 景気統計部 (PDF)】
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