ここまで、大手キャリアを中心にスマホの料金を紹介してきましたが、格安SIMならどこまで安くできるのか確認してみましょう。
まず、あまりネットを利用せず通話やSNSメインであれば、日本通信の「合理的シンプル290」が月1GBで月額290円と激安価格で利用できます。もちろん、データ通信量の追加も可能で、1GBあたり220円で加算できます(上限100GB)。
●日本通信「合理的シンプル290」は→こちら
もう少しネット閲覧もしたいということなら、HISモバイルの自由自在・月7GBプランが月額990円で利用できます。LINEMOやpovoなどの月3GBプランと同価格で月7GBまで使えるのですから、これはかなり安いですよね。
●HISモバイル「自由自在プラン7GB」は→こちら
動画も見たいし月7GBでも足りないという人には、日本通信の「合理的30GBプラン」がオススメ。月30GBで月額2,178円は楽天モバイルよりも安いのですが、これに月70分無料通話(5分かけ放題に変更可能)まで付いています。
●日本通信「合理的30GBプラン」は→こちら
ここまで、格安SIMが大手キャリアよりもいかに安いかを紹介してきましたが、やはり気になるのは「格安SIMには何かデメリットはないのか?」ということでしょう。そこでこのあとは、8つのデメリットを紹介します。
【1】格安SIMは聞いたことがない会社で不安!
格安SIMは全国に数百社もあり、あまり聞きなれないブランド名で展開しているので、利用するのが不安だという人も多いでしょう。たしかに“安かろう悪かろう”では意味がありませんよね。
しかし、格安SIMのネット回線は大半がドコモやau、ソフトバンクのものを使用していますし、運営会社名を調べてみれば、その不安も解消されるかもしれません。
たとえば、NUROモバイルはソニーグループの格安SIMですし、mineo(マイネオ)は関西電力系のオプテージが提供しています。
ほかにも、LIBMO(リブモ)は東海地区のCATVや光回線を提供するTOKAIコミュニケーションズが運営しており、現在はドコモショップでも「エコノミーMVNO」として取り扱いがあります。
いずれも、きちんとした会社がサービスを提供していますので、さほど心配することはないでしょう。
●LIBMO(公式)は→こちら
【2】通信が安定せず大手キャリアより遅いことも……
格安SIMの多くは日本全国で利用できるドコモ回線を利用しており、auやソフトバンク回線を選べる場合もあります。
それなら「大手キャリアとまったく同じ品質じゃないの?」と思ってしまいがちですが、必ずしもそうではありません。
回線が込み合う昼や夕方などの時間帯などでは、どうしても格安SIMの速度が遅くなったりつながりにくくなりがちです。
もし、格安SIMでも回線が安定したものにしたいなら、格安SIM最大手のIIJmio(アイアイジェイミオ)や、大手キャリアが提供するahamoやpovo2.0、LINEMOなどにしておけば間違いありません。
ちなみに、IIJmioは東証プライムに上場している電気通信事業者の「インターネットイニシアティブ(IIJ)」が運営しており、比較的安心して利用できます。
●IIJmio(公式)は→こちら
【3】実店舗での契約やサポートが受けられない!
格安SIMは実店舗でのサポートを行わないことで、利用料金を安くしていますので、実店舗での申し込みやサポートはまったく受けられないと思いがちです。
しかし、実際には実店舗を構える格安SIMも少なからずありますし、大都市なら家電量販店の格安SIMコーナーにおいて、対面で格安SIMを申し込むことができます。
ほかにも、大手スーパー「AEON(イオン)」が運営する「イオンモバイル」なら、全国200店舗以上あるイオンの大型店で格安SIMを申し込めますし、HISモバイルも全国100カ所の実店舗でサポートが受けられますよ。
【4】家族間無料通話(家族割)がない!
格安SIMには、大手キャリアに見られる家族間無料通話サービスの「家族割」はありません。格安SIMで普通に電話をかけると22円/30秒かかるので、1時間通話するだけで2,640円もかかってしまいますので要注意です。
とはいえ、スマホの場合は半額電話アプリを利用すれば11円/30秒で通話できますし、1回5分かけ放題オプションが月額500円前後、完全かけ放題オプションも1,400円前後で追加できます。
また、現在では家族や友だち相手なら、LINEの無料通話を利用する人がほとんどでしょうから、もはや家族間無料通話がないことをそれほど気にする必要もないでしょう。
ちなみに、ドコモのahamoやirumoでも家族間無料通話(ファミリー割引)は適用されません。
【5】キャリアメールが使えない!
キャリアメールとは、ドコモメール「〇〇〇@docomo.ne.jp」のようにたキャリア名の入っているケータイ用メールのことです。
ガラケー時代にはかなり利用されてきましたが、現在、友だちや家族との連絡には無料のGmailやLINEを利用している人も多いのではないでしょうか?
BIGLOBEモバイルなど一部の格安SIMでもメールアドレスを提供していますが、基本的に格安SIMではキャリアメールの提供は行われていません。
どうしてもメールアドレスが欲しいということなら、スマホでも送受信できる「Gmail」や「Yahoo!メール」などのWebメールを使えば十分。今さらキャリアメールにこだわる必要もないでしょう。
ちなみに、ahamoやirumoではドコモメールは提供されていませんが、月額330円のオプションに申し込むことでドコモメールをそのまま引き継ぐことが可能となっています。
【6】最新iPhoneが買えない!
日本ではiPhoneユーザーが非常に多いので、最新iPhoneを新品でお得に買いたいという人も多いことでしょう。
格安SIMでも最新スマホを同時購入できるところがありますが、それはAndroidスマホのみであり、最新のiPhoneを新品で購入することはできません。ただし、型落ちのiPhoneや中古のiPhoneなら購入できる格安SIMもあります。
もちろん、最新iPhoneはApple StoreでSIMフリー版を単体で購入できますし、最近は中古スマホショップでも程度のいいものが割安で購入できます。
このほかにも中古のリファービッシュ品を扱う「Back Market(バックマーケット)」なら、ネットで簡単に程度のいいiPhoneを格安で購入することが可能となっています。
【7】スマホの初期設定を自分でやる必要がある
最近は、物理SIMカードを利用しない「eSIM(イーシム)」も普及してきましたが、格安SIMに乗り換えたとき、物理SIMカードを選ぶ人も多いと思います。
この場合は、郵送されてきたSIMカードを自分でスマホに挿入して、ネットの接続設定を行わないと、メールやSNS、Webサイトの閲覧などができません。
このネットの接続設定は「APN(アクセスポイント)」設定と呼ばれており、同梱のマニュアルや公式サイトで検索すればさほど難しくはありませんが、デジタルに弱い人にはやや難しい作業になるでしょう。
これも、家電量販店や実店舗のある格安SIMなら、APN設定もお店側でやってもらえますので、どうしても不安がある人は、実店舗で申し込める格安SIMにすることで解決できるはずです。
【8】支払いがクレカのみで口座振替に対応しない
大手キャリアの場合、月額利用料の支払いは銀行口座の振替も利用できますが、格安SIMの支払いはクレジットカードのみというところがほとんどです。
社会人でクレカを持っていない人は少数派だと思いますが、どうしても口座振替でないとイヤだという人は、口座振替にも対応する「LINEMO」「UQモバイル」「Y!mobile」あたりを検討してみましょう。
まとめ
いかがでしょうか? 今回は格安SIMのデメリットを8つ紹介しましたが、その内容を検証してみると、現状では必ずしもデメリットだと言えないものが多いことが分かります。
このなかで、とくに注意したいのはネット接続のAPN設定を自分でやる必要があることですが、これは実店舗のある格安SIMを利用することで回避できるはずです。
また、格安SIMの「回線が不安定になる」「速度が遅い」と感じる人もいるようですが、長年さまざまな格安SIMを利用してきた筆者としては、回線速度が極端に遅くて困ったことはさほどありません。
どうしても回線の速度や安定感が気になるということなら、格安SIMのなかでも最大手のIIJmio、あるいは大手キャリアが提供する格安プランの「ahamo」「LINEMO」「povo2.0」などを選んでおけば間違いないでしょう。
※文中の価格は表記がない限り「税込」となっています