モバイル社会研究所の調査によると、2024年のスマホ比率は96.8%。フィーチャーフォン(ガラケー&らくらくスマホ)比率は2.9%だそうです。そこで気になるのが2026年3月末のドコモ3G停波問題。これによって高齢者が使っているフィーチャーフォンが使えなくなってしまいますが、いったいどうすればいいのでしょうか?
今でも日本では300万人がガラケーを使っている!?
長年利用されてきた携帯電話の「3G」サービスですが、すでにソフトバンクやauは終了しており、残るドコモも2026年3月末で3Gサービス(FOMA/iモード)を終了する予定です。
そもそも「3G」とは“第3世代移動通信システム”のことで、「G」は“Generation”=世代を意味しています。現在ではもっとも新しい世代の4Gや5Gが登場しています。
●ドコモ「「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内」は→こちら
しかし、ドコモの研究機関「モバイル社会研究所」の調査によると、2024年のスマホ比率は96.8%で、フィーチャーフォン(ガラケー&らくらくスマホ)比率はまだ2.9%もあるそうです。
日本の人口は現在1億2,400万人ほどですので、単純計算でフィーチャーフォンユーザーはまだ358万人ほどいる計算になります。もちろん、これにはらくらくスマホも含まれますし、2023年10月時点で15歳未満の比率は11.4%ありますから、実際のガラケーユーザー数は300万人前後だと推測されるでしょう。
●モバイル社会研究所「第1章 携帯電話の所有・利用状況」は→こちら
それでも、多くの高齢者が利用していると思われるガラケーがあと1年半ほどで利用できなくなるのですから、もしかすると、これは大きな社会問題になるかもしれません。
一口に高齢者といってもスマホが使えるかどうかは別問題!
「高齢者=スマホは無理」と短絡的に考える人も多いでしょうが、一口に高齢者といっても現在60〜70歳くらいなら、普通にスマホを使いこなしている人が多いと思います。
さすがに、80歳を超えてくると難しい人も多いと思いますが、高齢者でスマホを使えるかどうかは、筆者の経験で言えば、年齢よりも会社や家でパソコンを使っていた経験があるかどうかが大きいと感じています。
たとえば、筆者の義母は75歳ですが、会社勤めをしていたときにパソコンを使っていた経験があるので、今ではスマホでWebサイトを見たりLINEやメールも普通に使いこなしています。
しかし、同世代の義父のほうはこれまでパソコンを使った経験がなく、基本的にスマホでは電話しか使えません。ウインドウやフォルダといった概念がなく、いくら教えてもメールやLINEでキーボードによる文字入力ができないのです。
なお、筆者の実父は90歳を超えており、ガラケーユーザーですが、パソコンは使ったことがなくメールもまったく使っていません。もちろん、個人差はあると思いますが、このような高齢者の場合は、スマホへの移行などまず不可能だと考えていいでしょう。
それでも、2026年3月末には3Gが停波され、現在の3Gガラケーはすべて使えなくなってしまうのです。実父はとっても元気なのできっと100歳くらいまでは長生きしそうですが、そうなると、今後ガラケーはどうすればいいのか悩んでしまいます。
4G LTE対応のガラホへの機種変更がベストな選択肢!
それでは、現在3Gガラケーを使っている高齢者で、スマホを使いこなせていないと思われる人は、2026年3月31日以降はどうすればいいのでしょうか?
その答えはズバリ!「4G LTEに対応したガラホに乗り換える」しかないと思います。そもそも「ガラホ」は“ガラケー+スマホ”の略でKDDI(au)の登録商標です。ドコモやソフトバンクでは別の呼び方をしていましたが、ここではイメージしやすい“ガラホ”のまま話を進めますのでご了承ください。
このガラホは、見た目は2つ折りで物理ボタンがあるガラケーですが、OSはスマホに近いものになっています。データ通信は4G LTE対応で、音声通話はVoLTE(ボルテ)を利用するので、3Gが停波されたあとでも問題なく使えるんですね。
ちなみに、VoLTEは“Voice over Long Term Evolution”の略で、4G LTE回線を利用した音声通信システムのことです。
ドコモでは現在、4G LTE対応ガラホの京セラ「DIGNOケータイKY-42C」とFCNT「arrowsケータイベーシックF-41C」の2機種が用意されていますので、3Gガラケーをこれらに機種変更すればいいのです。
また、70〜80歳でとりあえず電話さえできればいいということなら、見た目はスマホですが、ホーム画面がタイル式になっている高齢者向けの「らくらくホン」もアリかもしれません。
ドコモでは、「らくらくスマートフォンLite MR01」が24年12月上旬以降発売、「らくらくスマートフォンF-53E」が2025年1月下旬以降に発売される予定です。いずれも最新の5Gに対応しますので、もし、スマホに抵抗感がない高齢者ならこちらのほうが長く使えるでしょう。
4G LTEや5G対応携帯電話に乗り換えるタイミングは?
現在、ドコモでは「はじめてスマホ購入サポート」が実施されています。これは、FOMA(3G)指定プランからXi(4G LTE)/5Gへの契約変更で「arrows N F-51C」が8万1,400円割引、「DIGNO ケータイ KY-42C」が1万1,000円割引、「arrows ケータイ ベーシック F-41C」が1万6,500円割引で機種変更できるというものです(ドコモオンラインショップは対象外)。
●ドコモ「はじめてスマホ購入サポート」は→こちら
また、FOMAからXiや5Gに契約変更する人が対象となる「はじめてスマホ割(はじめてスマホプラン)」キャンペーンも実施されており、月1GB+5分かけ放題付きで月額1,815円の「初めてスマホプラン」加入で、最大12カ月間は月額550円割引になります。
●ドコモ「はじめてスマホ割(はじめてスマホプラン)」は→こちら
ただし、2025年になれば3Gガラケーユーザーには、ドコモからクーポン配布や端末無料交換サービスなどが実施されるかもしれません。
実は、すでに3Gを停波しているauでは、3Gガラケーユーザーが4G LTE対応の携帯電話に買い替えるとき、「無料交換」サービスを実施していました。それを考えると、ドコモでも同様のキャンペーンを実施する可能性は高いと思われますので、今すぐ慌てて機種変更しないほうがいいかもしれません。
ちなみに、現在auではドコモの3GスマホユーザーがMNP乗り換えした場合に、auスマホが最大4万1,800円割引になる「3Gとりかえ割(スマホ)/3Gとりかえ割プラス」キャンペーンを実施していますし、ソフトバンクでも似たような「3G買い替えキャンペーン」を実施していますので、この際、ドコモから他キャリアに乗り換えるのもアリでしょう。
●au「3Gとりかえ割(スマホ)/3Gとりかえ割プラス」は→こちら
●ソフトバンク「3G買い替えキャンペーン」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? 今回は2026年3月末のドコモ3G停波における高齢者のスマホ問題について解説しました。
スマホの操作が無理そうな高齢者であっても、2026年3月末で現在の3Gガラケーは使用できなくなりますので、そのような場合は、4G LTE対応ガラホに乗り換えるしかないと思います。
今なら、ドコモでも「はじめてスマホ購入サポート」が実施されていますし、auやソフトバンクでは、ドコモからMNP乗り換えすると機種代金が実質無料になるキャンペーンも行われていますので、これらを利用する方法があります。
ただし、3ガラケーユーザーには、今後ドコモから無料で機種変更できる案内が来る可能性もありますので、もし、家族に3Gガラケーユーザーがいるなら、このようなキャンペーンを見逃さずに、お得に乗り換える方法をチェックしておくことをオススメします。
※文中の価格はすべて税込みです。
※文中のプランは2024年11月時点のものです。今後変更される可能性があります。