たとえば「友だちと遊びに出かけた先で撮った写真を、その場でみんなに配る」というような場合、iPhone同士なら「AirDrop」が最適だ。ワイヤレスで手早くデータを送信でき、難しい操作は不要。ただし、セキュリティ面で少々注意すべき点もある。基本的な使い方と、安全に利用するための設定方法を紹介しよう。
近くにいる相手に写真などをサッと送れる
（Image：Vasin Lee / Shutterstock.com）
iPhone同士で写真を共有する方法はいろいろあるが、相手がすぐ近くにいるなら「AirDrop」が便利だ。写真のほかにも、連絡先、Webページのリンク、地図で表示した場所など、さまざまなデータを送信できる。共有メニューのあるアプリなら、たいていは利用できるので、役立つ場面は多い。
AirDropを使うには、送信側・受信側の双方でWi-FiとBluetoothをオンにして、iCloudにサインインしておく必要がある。また、受信側のiPhoneがスリープ中だと検出されないので、画面が表示された状態にしておこう。
「写真」アプリで送信したい写真を開き、左下の「共有」アイコンをタップ
周辺にあるiPhoneが自動的に検出されるので、送信したい相手を選んでタップしよう。なお、連絡先に登録してある相手ならユーザーの名前が、未登録の相手ならiPhoneの名前が表示される
相手側にリクエストの画面が表示され、「受け入れる」をタップすれば写真を受信できる
AirDropはiPadやMacにも対応しているので、自分のiPhoneとiPadの間でデータをやりとりするといった用途にも使える。なお、同じApple IDでサインインしている端末同士なら、リクエストの画面は表示されず、すぐにデータが送信される。
知らない人から自分のiPhoneが検出される!?
AirDropは便利だが、手軽さゆえのリスクもある。すべての人から受信する設定になっていると、近くにいる知らない人のiPhoneからも検出されてしまうのだ。悪質なユーザーに見つかった場合、エロ画像やグロ画像を送り付けられたり、危険なWebサイトへのリンクが送られてきたりすることも考えられる。特に、電車の中や飲食店など不特定多数の人が集まる場所では危ない。もちろんリクエストに応えなければデータを受信することはないが、誤って画面をタップしてしまう可能性もある。そもそも、他人のiPhoneに自分の情報が表示されること自体、プライバシーの面で問題だ。
こういった問題を避けるために、AirDropの設定を見直してみよう。受信する対象を「連絡先のみ」にしておけば、知らない人から検出される心配はない。より安全性を高めたいなら「受信しない」に設定してもよい。そして、連絡先に登録していない相手からデータを受信したいときだけ「すべての人」に変更すればOKだ。
画面の下端を上へスワイプ（iPhone Xの場合は右上端を下へスワイプ）して、コントロールセンターを表示する。次に、右上のグループを3D Touchで強めに押す。3D Touch非対応の機種ならロングタッチすればよい
このような画面が表示されたら、「AirDrop」をタップする
AirDropの設定画面が表示されるので、「連絡先のみ」または「受信しない」をタップする
送信する場合は相手を間違えないように注意
もう1つ気をつけたいのが、送信する際に相手を間違えないことだ。すでに説明したように、連絡先に登録していない相手の場合、ユーザー名ではなくiPhoneの名前だけが表示される。そのため、相手が設定している名前によっては誰のiPhoneなのか判別しづらいこともある。誤って知らない人に個人情報を送ってしまわないよう、くれぐれも注意しよう。その意味でも、やはりAirDropは連絡先に登録したユーザー同士で使うほうが安心といえる。
これでは、どれが誰のiPhoneなのかわからない。間違って別の人に送信しないように注意！
ちなみに、AirDropではデータが暗号化して送信されるため、もし第三者に傍受されても中身を盗み見られる可能性は低い。注意点をきちんと守れば、安全に利用できる機能なのだ。