これぞ大本命! 格安SIMの最大手「IIJmio」が月2GBで月額780円の新スマホ料金プランを発表

ドコモの「ahamo(アハモ)」、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」、auの「povo(ポヴォ)」など、大手キャリアが打ち出したネット専用の格安新料金プランの煽りをモロに受けたのが「格安SIM」である。何しろ大手キャリアより“割高SIM”になってしまったのだ。そこで格安SIM最大手の「IIJmio」は、2021年2月24日に新料金プラン「ギガプラン」を4月から提供すると発表。とくに月2GBで月額780円は、2021年春のスマホ料金競争の大本命になるかもしれない。

IIJmioは月20GBプランが大手キャリアより600円も安い!

(Image:iijmio.jp)

 大手キャリアのドコモが月20GB+1回5分かけ放題で月額2,980円という格安新料金プラン「ahamo」を発表すると、ソフトバンクやauはかけ放題をオプションとして月額2,480円という新料金プランで対抗したのは皆さんもご存じだろう。このあたりの事情は→こちらで詳しく解説している。だが、これで窮地に立たされたのが格安SIMである。何しろ、大手キャリアが発表したネット専用新料金プランは、従来の格安SIMより安かったのだ。このままでは格安SIMは“割高SIM”になってしまう……。
 そんな中、2021年2月24日には格安SIMの最大手IIJ(インターネットイニシアティブ)が、「IIJmio(アイアイジェイミオ)」の新料金プラン「ギガプラン」を2021年4月1日より提供すると発表した。IIJmio「ギガプラン」の音声SIMは、2GBで月額780円、4GBで月額980円、8GBで月額1,380円、15GBで月額1,680円、20GBで月額1,880円となっており、20GBプランで比較すると月額2,480円のソフトバンク「LINEMO」やau「povo」よりも月600円安くなっている。また、あまりネットを使わない人向けの2GBプランが月額780円と激安なのにも注目! すでに値下げした「mineo」でも1GBプランが月額1,180円なので、IIJmioのほうが1GB多くて月400円も安いのだ。これは、今のところ2021年春のスマホ料金競争の大本命と言っていいだろう。なお、楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT VI」は20GBまでで月額1,980円だが、電話は半額アプリによる完全かけ放題料金も含まれている。

IIJmioの音声通話可能なプランでは2GBで月額780円、20GBで月額1,880円というプランが目を引く。かけ放題は半額通話アプリ「みおふぉんダイヤル」の1回10分かけ放題で月額830円、1回3分かけ放題が月額600円で利用できる

mineo「マイピタ」と比較してみた。データ量を微妙にズラしてはいるが、IIJmio「ギガプラン」の圧勝である。とくにIIJmioの4GBはmineoの1GBよりも安い980円、mineoの5GBとIIJmioの8GBが同じ1,380円、mineoの10GBよりIIJmioの15GBのほうが100円安い1,680円なのは驚きだろう

 IIJmio「ギガプラン」の内容を整理してみよう。まず、料金プランは2GB、4GB、8GB、15GB、20GBの5種類が用意されており、ドコモ回線(タイプD)かau回線(タイプA)が利用できる。料金プランは音声SIM以外にデータ通信専用SIM(ドコモ回線のみ)があり、音声SIMよりも100円安い。また、データ通信+SMSだけの「SMS機能付きSIM」は音声SIMよりも30円安くなっている。さらに、データ専用のeSIM(ドコモ回線のみ)にも対応しており、料金は2GBで月額400円、4GBで月額600円、8GBで月額1,000円、15GBで月額1,300円、20GBで月額1,500円という低価格で提供される。 
 音声通話は、通常20円/30秒だが同一名義間は16円/30秒。半額電話アプリ「みおふぉんダイアル」を使うと10円/30秒となり、同一名義間は8円/30秒になる。かけ放題は「みおふぉんダイアル」を利用した「通話定額10分」が月額830円、「通話定額3分」は月額600円で追加可能となっている。
 また、固定回線「IIJmioひかり」とセットで契約すると「mio割」が適用され、月600円が割引きになるほか、余ったデータは翌月に繰り越せる「データ容量繰り越し」にも対応する。さらに2021年6月からは、「データ容量シェア」によって、1契約で最大10回線まで同一名義間であればデータ容量をシェアできるほか、同一名義間のデータ容量の移行ができる「データ容量プレゼント」も利用可能に。家族割はないが、家族の誰か1人の名義で全員分を契約しておけば、音声通話の割引きやデータ量のシェアも可能になるのは見逃せない。

■IIJmio「ギガプラン」のポイントまとめ
【回線】ドコモ(タイプD)とau(タイプA)が選択できる
【SIM】SIMカード(タイプD・タイプA)のほかeSIMも提供
【データ超過後】最大300Kbps
【通信規制】最直近3日間あたり低速通信利用で366MB超過時は速度規制がかかる
【音声の契約条件】期間拘束条件なし・音声通話機能解除調定金0円・MNP転出手数料0円
【最低利用期間】利用開始月の翌月末日まで
【初期費用】3,000円(税抜)
【かけ放題】みおふぉんダイアル「通話定額10分」が月額830円/みおふぉんダイアル「通話定額3分」が月額600円
【テータ容量繰り越し】余ったデータ容量の翌月への繰り越しが可能
【通信速度切替】高速通信/低速通信の切り替え可能
【固定回線割】IIJmioひかりとセットで毎月600円割引き

 

■6月以降に提供されるサービス
【データ容量シェア】ギガプランのみ最大10回線まで、データ容量のシェアが可能 (容量、SIM機能問わず)
【データ容量プレゼント】同一契約内のギガプラン回線へのデータ容量移行が可能
【ギガプラン専用追加データ量】1GB 200円 (有効期限当月末、Webサイトから追加可能)
【5Gオプション】高速5Gは無料で利用可能(eSIM、SMS機能付きSIM(タイプD)では利用できない)

(Image:iijmio.jp)

IIJmio「ギガプラン」では1年目割引きや家族割などはなく1回線目からお得。2年縛り、解約料、MNP乗り換え手数料などはすべて無料。まさに格安SIMらしい非常にシンプルなサービスだ(契約手数料とSIM発行手数料はかかる)

(Image:iijmio.jp)

格安SIMでは割と当たり前にある機能が「データ繰り越し」だ。たとえば8GBで契約したのに、2GB余った場合は繰り越され、翌月は10GB使えるようになるのがありがたい

(Image:iijmio.jp)

家族で利用する場合、家族の誰か1人の名義で全員分を契約すれば、同一名義(家族)間でデータをシェアできるほか、余ったデータをプレゼントすることも可能(6月以降)

(Image:iijmio.jp)

高速通信「5G」も6月以降提供されるが、現状では5Gオプションは無料で提供される

 いかがだろうか? 格安SIM最大手の「IIJmio」がついに最安値プラン「ギガプラン」を発表した。その値段は大手キャリアどころか、同じ格安SIM「mineo」でさえ凌駕する強烈な安さである。また、家族割はないものの同一名義間ならデータシェアができたり通話が割引きになるなど、個人でも家族でも安く利用できるのが魅力だろう。なお、IIJmioの「ギガプラン」はWebサイトから簡単に申し込めるほか、2021年6月からはビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店でも即日開通できるので、むしろネット専用の「ahamo」や「LINEMO」などより契約しやすいのも魅力となっている。
 とはいえ、2021年3月には格安SIM最大手のNTTコミュニケーションズ「OCN モバイル ONE」も新料金プランを発表する予定なので、少なくともIIJmioと同等かさらに安いプランを用意していると思われる。急いで乗り換える必要がない人は、とりあえず新料金プランが出揃う4月頃までは待ったほうがいいかもしれない。

(Image:ntt.com)

2021年3月には新料金プランを発表する予定の「OCN モバイル ONE」。果たしてどんなプランを用意しているのか楽しみだ

●IIJmio「ギガプラン」(公式)は→こちら
●mineo(公式)は→こちら
●NTTコミュニケーションズ「OCN モバイル ONE」(公式)は→こちら

※サムネイル画像(Image:iijmio.jp

文=すずきあきら/編集・ライター

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