2021年3月1日、ドコモは格安新料金プラン「ahamo(アハモ)」を月額2,980円から月額2,700円と微妙に値下げすると発表した。auの「povo(ポヴォ)」やソフトバンク「LINEMO(ラインモ)」は、すでに1回5分かけ放題をオプションとして月額2,480円を実現しているが、「ahamo」は1回5分かけ放題を分離できないという不可解な料金プランのままとなっている。果たしてこれが、デジタルネイティブな若者に支持されるのだろうか?
280円の微妙な値下げでも「かけ放題」は分離せず!
2020年12月3日、ドコモが月20GB+1回5分かけ放題で月額2,980円という格安新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。これに対しau(KDDI)は1回5分かけ放題は500円のオプションとした月20GBで月額2,480円の「povo(ポヴォ)」を発表して対抗。のちにソフトバンクもこれに追随し、1回5分かけ放題をオプションとする「LINEMO(ラインモ)」を発表している。当然、ドコモもこれらに対抗して1回5分かけ放題を別料金としたうえで値下げすると期待されていた。
ところが、2021年3月1日に発表された「ahamo」の値下げは、1回5分かけ放題を含んだままで月額2,980円を月額2,700円(税込2,980円)にするというものだった。そもそも「ahamo」はデジタルネイティブな若者向けプランではなかったか? 今の若者は電話はあまりかけず、主にLINEなどのSNSでコミュニケーションをとることが多いだけに、1回5分かけ放題を分離できないドコモの値下げにはやや疑問が残る。たとえば、ソフトバンクの「LINEMO」は、1回5分かけ放題は分離されているし、LINE利用時のデータ量がカウントされないので、LINEユーザー同士ならLINE電話でかけ放題となっている。筆者からすればこちらのほうが断然デジタルネイティブに寄り添ったプランに思えるのだ。
今回の発表では他にも「ahamo」の料金に関する詳細が明らかになった。まず、ドコモの公式クレカ「dカード」ユーザーへの特典が発表された。2021年9月から、dカードユーザーはデータ容量を1GB追加、dカードGOLDなら5GBが追加される。また、dカードGOLDなら利用金額の10%をポイント還元(上限は300pt)されるのだ。
次に、これまでの「先行エントリーキャンペーン」も内容を変更されている。従来は、事前エントリーして5月末までに契約することで3,000ptがプレゼントされたが、事前エントリーしたうえで4月15日~5月31日までにahamoに新規加入するか、ahamoオススメ機種のスマホ購入でプラン変更すると、3,000ptが加算され6,000ptがプレゼントされるのである。
これらは非常に歓迎されるべきニュースだが、筆者は他に気になる部分があるのだ。それは……。
また「ahamo」では、すでに次のような契約内容の変更を発表している。まず、「ファミリー割引」は割引特典対象外だが申込み可能で、同じ家族グループのギガホ回線からの電話は無料になる。また、契約回線数が増えるたびに月額料金が割引きになる「みんなドコモ割」は割引対象外だが、ahamoも契約回線数にカウントできる。さらに、「ドコモ光セット割」も対象外だが、ahamoをドコモ光のペア回線(請求一括)には設定可能としている。
これらは、家族でドコモを利用しているユーザーには非常にうれしい変更だが、それでも筆者には「ahamo」に関して気になる部分があるのだ。それは、ここまでの「ahamo」の動きが、デジタルネイティブな若者には向いていないということ。たとえば、格安SIMの「IIJmio」は月2GBで月額780円(かけ放題別)や20GBで600円も安い1,880円という新プランを打ち出している。詳しくは→こちらで確認してほしいが、デジタルネイティブな若者がターゲットなら、こういった格安SIMプランと「ahamo」を比較するはずである。そうなれば、従来の家族割などは関係なく、結局はアナログなドコモユ-ザーが「ahamo」に流れるだけとなり、その優位性は崩れてしまうと思うが、いかがだろうか?
●ドコモ「ahamo」(公式)は→こちら
●ドコモ「dカード」(公式)は→こちら
●IIJmio「ギガプラン」(公式)は→こちら
※サムネイル画像(Image:ahamo.com)